暗号通貨(仮想資産)ビットコイン(BTC)が心理的節目となる10万ドル(約1,456万円)に迫る中、市場全体に楽観論が広がっている。
この流れを受け、長期間レンジ相場に閉じ込められていた仮想通貨リップル(XRP)も反発の兆しを見せており、3ドル(約437円)突破への期待が高まっているとみられる。

テクニカル分析によると、XRPは現在2.06ドル(約300円)から2.60ドル(約379円)の間で3カ月以上にわたって横ばいの動きを続けているという。
XRP価格は8日(日本時間)午後9時時点で2.20ドル(約320円)を記録し、3月25日以降に形成された下降トレンドラインを再び試す展開となっている。このトレンドラインを突破した場合、次の主要な抵抗線は2.41ドル(約351円)となる見通しだ。これは過去3カ月間で最も取引量が集中した価格帯であり、1月20日以降に続いた別の下降トレンドラインとも重なっていることから、強い技術的抵抗が予想される。
ビットコインは4月21日以降、17%以上上昇し、8万5,139ドル(約1,240万円)から9万9,882ドル(約1,454万円)まで急騰している。この上昇トレンドは、XRPだけでなく、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)など主要アルトコイン全般にポジティブな影響を与えている。特に、「ビットコインの利益が徐々にアルトコインに流れ込む」との見方が強まっている。
XRPが2.41ドルの抵抗線を突破した場合、次の目標は3.11ドル(約453円)に設定される。これは過去の高値であり、高取引量ノード(High Volume Node)として分析されている。買い圧力が集中すれば、大きな抵抗なく到達できる水準とみられる。

市場心理も徐々に強気に転じている。
仮想通貨デリバティブ分析プラットフォーム「CoinGlass」によると、XRPの未決済約定(未清算契約の総数)は2025年に入り30億ドル(約4,370億2,391万円)から36億ドル(約5,244億2,869万円)の範囲で推移している。これについて、同社は過度なレバレッジがない状態で、なお価格上昇の余地があることを示唆していると説明した。
また、建玉加重調達金利(OI加重ファンディングレート)は0.00103%と低水準にとどまっており、過熱していない強気相場を示している。
ただし、下落リスクも注意が必要だ。XRPが2.06ドルの支持線を割り込んだ場合、取引量の少ない低流動性ゾーンである1.87ドル(約272円)から1.56ドル(約227円)まで、急落する可能性もあると指摘されている。