
ウクライナ軍が安価な携帯型武器で数十億円相当の戦闘機を撃墜する様子を捉えた動画が公開された。
今月12日(現地時間)、ウクライナ第58独立機械化歩兵旅団は公式SNSを通じ、一兵士がイグラ地対空ミサイルシステムでロシア軍の主力兵器であるスホーイ25(Su-25)戦闘機の撃墜に成功したと発表した。

公開された動画では、肩にイグラ地対空ミサイルシステムを担いだ兵士が精密に狙った一発でロシア軍の戦闘機を命中させる様子が映っている。
今回の攻撃は、マンパッズ(MANPADS)と呼ばれる携帯式防空ミサイルシステムで高価な戦闘機を撃墜したことから、ウクライナ軍を一層奮起させた。
イグラ地対空ミサイルは携帯型の短距離対空ミサイルで、高い高度を飛行する航空機、ヘリコプター、無人機などの撃墜を目的とする。肩に担いで発射する方式で、高性能の爆薬弾頭を使用する。

ウクライナ兵士が撃墜に成功した スホーイ25は、最高速度時速が975kmで、作戦半径300kmの性能を持ち、優れた装甲と耐久性から「空飛ぶ戦車」の異名を持っている。
一般的にイグラ携帯型ミサイルの価格は約1,045万円、 Su-25戦闘機の価格は約36億円とされる。兵士一人が1,045万円のミサイル一発で350倍も高価な戦闘機を破壊したことになる。
ウクライナ軍は「第58旅団所属の『タリブ』(コールサイン)が精密に狙った一発で敵機を命中させた」とし、「この戦闘機はウクライナ陣地を攻撃しようとして撃墜された」と伝えた。
さらに「現代の戦場で航空機撃墜の瞬間がこれほど明確に映像として記録されることは極めて稀で、これはウクライナ最前線の兵士たちの勇敢さと技量を如実に示す証拠だ」と付け加えた。
間もなくロシア・ウクライナ和平交渉…プーチン出席は不透明
一方、ロシアは今月15日にトルコ・イスタンブールで開催される和平交渉に代表団を派遣すると5月13日に発表した。ウクライナとロシア間の直接交渉が実現するが、ウラジーミル・プーチン大統領が直接出席するかは不明だ。
これに対し、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は早くから直接交渉に臨む意向を示し現在、中東アジアを訪問しているアメリカのドナルド・トランプ大統領もプーチン大統領が交渉テーブルに出席する場合、イスタンブールを電撃訪問する意向を示している。
ロシア・クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官はこの日に行われた記者会見で「ロシアは5月15日にイスタンブールに到着し、ウクライナ側を待つ」と述べた。「誰がロシアを代表するのか」との質問には「大統領が適切であると判断すれば直ちに発表する」と答えた。