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財政赤字と利下げ後ずれでアメリカ国債に売り圧力…トランプ政権の新予算案が影響か

川田翔平 アクセス  

金と並ぶ安全資産とされる米国債の価格が約3カ月ぶりの安値水準まで下落した。専門家は、トランプ政権による関税政策の影響が予想を下回り、リスク資産である株式市場に資金が流れたと分析している。

同時に、米国の利下げ観測が後退し、財政赤字の拡大に伴う国債供給の増加見通しが強まったことも、価格下落につながっている。

米経済メディアCNBCによると、14日(現地時間)、米国市場で取引された10年物米国債の利回りは4.536%、2年物は4.059%となり、前日比でそれぞれ0.037%、0.042%上昇した。これは2月中旬以来、約3カ月ぶりの高水準であり、利回りの上昇は国債価格の下落を意味する。

国債価格が下がった一因は、米国経済の景気後退懸念が和らぎ、安全資産需要が減退したことにある。

13日に発表された4月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.3%の上昇と、市場予想の2.4%を下回った。米連邦準備制度理事会(FRB)は今月7日に政策金利を据え置き、トランプ政権下での無差別的な関税政策による景気後退と物価高(スタグフレーション)への警戒感を示していたが、13日のCPIは関税の影響が予想よりも軽微であることを示す結果となった。

CNBCは、トランプ政権が先月施行した「報復関税」に対して90日間の猶予措置を設けたほか、英国や中国との貿易合意に向けた協議も進めていると指摘した。ドイツ銀行は投資家向けの報告書で「4月の指標だけで関税の影響を評価するのは時期尚早」とし、「その影響がCPIに本格的に反映されるのは6月以降になるだろう」と見通している。

スタグフレーション懸念の後退を受け、米主要株式市場は大幅に高騰した。特にS&P500は13日の取引で年初来の下落分を取り戻し、上昇基調に転じた。これにより、安全資産としての需要が薄れた金価格も下落し、6月渡しの金先物価格は1オンス(約31.1グラム)あたり3,174.62ドル(約46万1,398円)まで下落した。4月11日以来、約5週間ぶりの安値を記録した。

また、国債価格下落のもう一つの要因は、利下げ期待の後退も影響している。金利が高ければ、利回りの固定された国債の投資価値は低下する。米金融大手ゴールドマン・サックスは12日のレポートで、FRBが景気刺激への圧力から解放され、利下げを急がない可能性があると指摘した。これまで7月の利下げ開始を予想していたが、最新の見通しでは12月から隔月での利下げを開始するとの見方を示した。

さらに、巨額の財政赤字に直面するトランプ政権が減税を含む新予算案を実行に移すには、国債発行を増やす以外に手立てがない。国債の供給増が見込まれる状況では、価格下落圧力が避けられない。14日、米下院予算委員会は新たな予算案の草案を可決した。総額数兆ドルに上る減税と福祉支出の削減が盛り込まれており、下院で過半数を占める共和党は今月26日までに本会議での採決を目指している。

米投資会社ブランディワイン・グローバルのポートフォリオマネージャー、ジャック・マッキンタイア氏は「債券市場に影響を与える問題は、かつては貿易戦争だったが、今は財政調整法案に変わった」と指摘した。 

川田翔平
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