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2025年05月20日火曜日
ホームニュース観光収入20兆円超の裏側で…スペイン・マドリード空港が"野宿天国"に、尿だまりと薬物蔓延の惨状が明らかに

観光収入20兆円超の裏側で…スペイン・マドリード空港が”野宿天国”に、尿だまりと薬物蔓延の惨状が明らかに

引用:depositphotos

スペインの住宅危機がマドリード空港のホームレス問題を引き起こしているとの指摘が出ている。

AP通信は17日(現地時間)、「スペインの住宅危機が深刻化する中、マドリード空港で寝泊まりするホームレスが数百人に上っている」と報じ、「スペインではマドリードやバルセロナなどの都市で家賃が急騰している」と伝えた。

昨年スペインを訪れた外国人観光客数は9,400万人で過去最高を記録した。2023年の8,350万人と比べ約10%増加し、統計開始以来最多となった。世界観光機関(UNWTO)の指標によると、スペインはフランスに次ぐ世界第2位の人気観光地となっている。

この期間の外国人観光客による収入は1,260億ユーロ(約20兆4,460億円)に達し、2023年の1,087億ユーロ(約17兆6,400億円)から16%増加したと、スペインのジョルディ・ヘレウ産業観光相が明らかにした。

しかし、観光客の急増に伴い観光客向けの住宅が増加し、家賃の上昇がさらに加速。その結果、ホームレスが増加しているとの指摘がある。不動産ポータルサイトのIdealistaによると、過去10年間でスペインの平均家賃はほぼ倍増し、マドリードとバルセロナではさらに急激な上昇を見せている。

現在、マドリード空港には約500人のホームレスが不法に滞在しているとされる。当初は第4ターミナルの1階に限られていたホームレスの寝場所が、今ではすべての階や隅々にまで広がっている。

ホームレスはレストランのテーブルからトイレの入り口まで、空港内のあらゆるスペースを占拠。寝ている場所で排尿する行為が頻発し、床のあちこちに尿だまりができる問題も深刻化している。さらに、ホームレス集団内での薬物使用や売春行為が蔓延していると、スペインの現地メディアが報じている。

スペイン空港運営会社のAENAは、マドリード空港の非運航時間帯に出入りを制限するため、訪問者に搭乗券の提示を求める方針を明らかにした。AENAはこの措置を数日以内に実施するとしているが、具体的な開始時期は明らかにしていない。空港職員や旅行者の同伴者は例外扱いとするとしている。

マドリード市議会は15日、スペイン政府に対し、空港で寝泊まりするすべてのホームレスの社会復帰計画の策定を要請したと発表した。市議会の報道官は、マドリード市がAENA、マドリード州政府、複数の中央省庁関係者との会議を最近要請したが、すべて拒否されたと明かした。

一方、AENAはマドリード市当局が適切な支援を提供できなかったと非難。市が現状について発表した声明は空港のホームレスを放置し「職務怠慢」に当たると批判した。

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