

「ドーン!」地響きとともに炸裂した砲弾が炎を噴き出しながら空を切り裂く。ウクライナ最前線に配備された北朝鮮製「コクサン(谷山)」自走砲の砲弾発射シーンだ。
19日(現地時間)、親ロシアの有力軍事専門のテレグラムアカウントが、170㎜砲弾を使用する北朝鮮製M1989コクサン自走砲の発射シーンが初めて公開されたと主張した。
このアカウントは、ロシア軍が以前からウクライナ最前線で北朝鮮製自走砲を運用していたが、これほど近距離で実際の発射シーンが捉えられ公開されたのは初めてだと付け加えた。
また、コクサン自走砲とともに戦場に投入された170㎜砲弾の写真も公開された。
ただし、これらの資料の撮影時期および場所は明らかにされなかった。


2023年7月、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相(当時)が北朝鮮の戦勝記念日(休戦協定記念日)70周年を機に北朝鮮を訪問した際、一部ではロシアが北朝鮮製自走砲および弾薬の購入を打診しているとの観測が出ていた。
その後、実際に北朝鮮は昨年秋にロシア軍にコクサン自走砲を初めて引き渡し、間もなくクルスク前線にコクサンが姿を現した。
そして2月、ウクライナ軍は、自国東部ルハンシクでロシア軍が運用していた北朝鮮製M1978コクサン自走砲1門を撃破したと発表した。ウクライナ戦争で北朝鮮製自走砲が破壊されたのは開戦後これが初めてだった。
ウクライナ軍は3月にもロシア西部クルスクで北朝鮮製M1978コクサン自走砲3門を攻撃して破壊したと主張した。
先月にはロシア軍が西部クルスクでウクライナの一人称視点ドローン(FPV)攻撃により北朝鮮製M1989コクサン自走砲1門を失ったとの報道もあった。
「ソウルを火の海に」脅威のたびに登場…北朝鮮コクサン自走砲の性能は

1950年代、ソ連は旧式の沿岸砲を北朝鮮に援助した。北朝鮮はその沿岸砲を逆設計し、模倣生産を行ってきた。
北朝鮮ではこれを「主体砲」と呼び、米国など西側の情報機関では1978年に黄海道谷山郡(ファンヘド・コクサングン)でこの自走砲の存在を初めて発見し「コクサン砲」(M1978)と呼んでいる。
北朝鮮が「ソウルを火の海に」脅威のたびに前面に出すM1989主体砲は、既存のM1978に新しい車体を結合した大口径長距離自走砲だ。M1989という名称も、米軍情報部がこの自走砲の存在を初めて確認し撮影した年が1989年であることに由来する。
主体砲は北朝鮮が独自に開発したとされる170㎜榴弾砲が最も特徴的だ。ただし、2008年に旧ソ連製180㎜ S-23砲を装備したM1978主体砲が発見されたことがあり、改造は十分に可能だと見られている。
北朝鮮製コクサン自走砲は高爆破片弾を使用して最大43㎞まで攻撃でき、ロケット補助推進体を使用すれば54〜60㎞まで射程が延びる武器だ。
ウクラインスカヤ・プラウダなどは「元々非武装地帯北部からソウルを攻撃できるように設計されたが、現在ロシア軍がウクライナとの戦争で砲兵損失を相殺するためにこれを使用している」と報じている。
韓国軍「北の空対空ミサイルにロシア関与の可能性…戦力化には相当な時間が必要」
北朝鮮の金正恩総書記が15日、第1空軍師団管轄の飛行連隊を訪問し、空軍の反航空(防空)戦闘および空襲訓練を指導したと朝鮮中央通信が17日報じた。
一方、北朝鮮とロシアはウクライナ戦争を契機に「血盟」レベルで関係を深めている。特に機微な軍事技術協力の速度が加速している。
特に韓国合同参謀本部によれば、15日に北朝鮮が公開した新型中距離空対空ミサイルの開発にもロシアが関与している可能性が高いとみられている。
合同参謀本部は北朝鮮の常套手段である「欺瞞と誇張」を根拠に、新型空対空ミサイルの性能も実際より誇張されていると判断した。
ただし、北朝鮮が派兵の見返りとして入手したロシアの軍事技術でミサイルを開発した可能性があると分析している。
高度な技術を要する空対空ミサイルは韓国もまだ開発できていない。韓国軍は今年、短距離空対空誘導弾事業の研究開発を開始し、2032年までに研究開発を完了、2035年頃に実戦配備する計画だ。