「米は買ったことがない」失言で農林水産相が更迭
後任に小泉進次郎前環境相
「スーパーの棚から米が消える不安はよく分かっています」

「私もお米は買っています。忙しいときにはパックご飯も買います。」
米の価格高騰が続く中、「米は買ったことがない」と発言して批判を受けた江藤拓・前農林水産相が更迭され、小泉進次郎・元環境相が後任に任命された。
21日、共同通信や毎日新聞などによると、石破茂首相は江藤氏の失言が国民の反発を招いたと判断し、更迭を決定。小泉氏を新たな農林水産相に起用した。石破内閣発足以来、初めての閣僚交代となる。
小泉新農水相は首相官邸で記者団に対し、「米価高騰に迅速に対応するよう全力を尽くす」とし「国民の怒りと不信を払拭するために、『米担当大臣』いう意識で、価格抑制策を根本から見直していく」と述べた。
さらに「これまでの農業政策は組織や団体に配慮するあまり、消費者目線に立った改革が遅れてきた」として、農政改革にも意欲を示した。
「米を買ったことがあるか」との問いには、「さまざまな種類の米を買う。子どもがまだ小さいので、急いでご飯を準備する時にはパックご飯も使う」と回答。「スーパーの棚から米が消える不安はよく理解している。消費者目線の政策を進めたい」と強調した。
問題となったのは、江藤前農水相が18日に佐賀県で開かれた自民党の政治資金パーティーで、「私は米を買ったことがない。支援者の方々がたくさん買ってくださる。家には売れるほどある」という発言だ。これに対し、「国民の苦しみを無視している」との批判が相次いだ。

野党は閣僚不信任決議案の提出を検討するなど、政界への波紋も広がった。こうした中、石破首相は迅速な対応を迫られ、江藤氏の更迭を決断した。
小泉農水相は、江藤氏の発言について「国民が米に不安を抱いている中で、すべき発言ではなかったのは明らかだ」と述べ、遠回しに批判した。
小泉氏は小泉純一郎元首相の次男で、将来の首相候補としてたびたび名前が挙がる人気政治家。2009年に衆院初当選し、2019年から約2年間環境相を務めた。
一方で「反省していると言いながら、反省の様子が見えないという指摘は自分の問題だと反省している」といった発言がSNS上でミーム化され、皮肉を込めて揶揄されることもあった。
2019年9月の国連気候行動サミットでは「気候変動にはファン(fun)でクール(cool)でセクシー(sexy)に対処しなければならない」と発言し、その意味不明な表現が国内外で話題となった。以降、韓国では「ファンクールセクシー大臣(通称:ファンクールセク座)」というあだ名で有名だ。