
ドイツ政府は、志願兵が計画を下回る場合、徴兵制を復活させる可能性があると明らかにした。ボリス・ピストリウス国防相は24日(現地時間)、日刊紙フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)に対し、兵役法改正案について「まずは自発的な参加に重点を置いている」としながらも、「必要な人員が志願者を上回る時点が来れば徴兵を決定することも我々の選択肢だ」と語った。
ドイツ政府は、ロシアが数年以内に北大西洋条約機構(NATO)加盟国を侵攻する可能性を想定し、兵力増強を推進している。しかし、志願兵の増加が思うように進まないため、2011年に廃止された徴兵制の再導入を求める声が政界から上がっている。
国防省は昨年、徴兵制の導入を一旦見送り、18歳以上の男女を対象に軍務への意思と適性を調査した上で志願兵を募集する兵役法改正案を策定した。しかし、今月初めに就任したフリードリヒ・メルツ首相が米国からの「安全保障の独立」を主張したことで、徴兵制をめぐる議論が再燃した。
新政権で留任したピストリウス国防相は、兵舎や訓練施設の不足を理由に徴兵制に否定的な立場を取っていた。しかし、この日は「施設の整備が当初の予想より早く進むことが期待される」とし、新兵役法が施行される来年上半期までに5,000人の追加募集を行い、その後も毎年兵力を増強する方針を示した。現在のドイツ連邦軍の現役兵は、今年1月時点で約18万3,000人である。