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「全米主要都市の9割以上が地盤沈下」…人口増加と地下水の枯渇がもたらす「沈む都市」の未来

荒巻俊 アクセス  

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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ニューヨーク、ラスベガス、ワシントンD.C.、サンフランシスコ、ヒューストンなど、米国の有名都市が地盤沈下に直面しているとの研究結果が発表された。主な原因は地下水の枯渇であり、特にヒューストン地域では全体面積の40%が年間5ミリ以上沈下していることが分かった。人口の増加や水の使用量の増大、気候変動による干ばつなどにより、今後さらに地盤沈下が深刻化するとの予測が出ている。

米バージニア工科大学地球科学部のマヌシェール・シルザイ教授率いる研究チームは、8日(現地時間)、こうした研究結果を国際学術誌「Nature Cities」で発表した。

地盤沈下は世界的に広がる問題である。中でも、インドネシアの首都ジャカルタは急速な地盤沈下に見舞われている。特に北部地域では、年間の沈下速度が25センチに達し、2050年ごろには95%の地域が水没するとの予測も出ている。

このほか、オランダ、ベトナム、イタリア、メキシコなども深刻な地盤沈下に悩まされている。

研究チームは、アメリカ国内で人口が最も多い28の都市を対象に、地盤沈下の程度を詳しく分析した。調査対象となったのは、人口が60万人を超える都市であり、これらの都市については衛星データを活用して地表の高度変化を測定した。

その結果、28都市のうち25都市において、都市全体の面積の3分の2以上が沈下していることが明らかになった。

最も沈下が著しかったのはテキサス州ヒューストンで、都市面積の40%以上が毎年5ミリ以上沈下し、そのうち12%はその2倍の速度で沈下していることが判明した。中には年間5センチ沈下している地域も存在するという。

テキサス州のフォートワースとダラスも同様の傾向を示しており、他州ではニューヨーク・ラガーディア空港周辺、ラスベガス、ワシントンD.C.、サンフランシスコなどでも急速な沈下が観測されている。

引用:米バージニア工科大学
引用:米バージニア工科大学

研究チームは、地盤沈下の主な原因が地下水の過剰なくみ上げにあると指摘している。地下水の採取量を分析した結果、地盤沈下を引き起こす要因のおよそ8割が地下水のくみ上げによるものだと明らかになった。研究チームは「微細な堆積物で構成された帯水層から水を汲み上げると、地盤沈下が発生する」とした上で、「帯水層に水が補充されないと、かつて水が占めていた空間が崩壊し、その上部の地層が沈み込んで地表が沈下する」と説明している。テキサス州では、石油や天然ガスの採掘によりこの現象がさらに深刻化しているという。

また、一部地域では自然要因による沈下現象が確認されている。研究チームの説明によると、約2万年前まで北米の内陸には巨大な氷床が存在しており、その重みで地盤が圧縮され、氷床の周辺部では圧力の影響で地盤が隆起していたという。

しかし現在、氷床が消失したことで、過去に隆起していた地盤が再び沈下を始めていると指摘されている。このような現象は、ニューヨーク、インディアナポリス、ナッシュビル、フィラデルフィア、デンバー、シカゴ、ポートランドなどで観測されており、毎年1~3ミリの速度で沈下が進んでいる。

研究チームは「風船の片側から反対側へ空気を押し出すと、反対側が膨らむように、氷床の縁に沿って地盤が持ち上がっていた」と説明し、「氷床が消滅したことで、毎年のように再び地盤沈下が発生している」と述べた。

このような地盤沈下が進んでいる25都市には、約3,400万人が居住しており、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、フェニックス、ヒューストンなど8都市だけで全体の約60%を占めている。

これらの地域では、2000年以降だけで約90回の深刻な洪水被害が発生しており、地盤沈下がその一因となっていると研究チームは分析している。

研究チームは「地盤沈下への対策を一刻も早く講じる必要がある」と強調した。「都市の成長が続く中で、より多くの都市が沈下リスクに晒されることになる。我々は今すぐにでも解決策を見いださなければならない」と警鐘を鳴らしている。

引用:米バージニア工科大学
引用:米バージニア工科大学
荒巻俊
aramakis@kangnamtimesjp.com

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