
ドナルド・トランプ米政権が移民追放を継続する中、希少疾患の治療を受けている4歳のメキシコ人少女までもが追放リストに載り、物議を醸している。
米ロサンゼルス・タイムズは27日(現地時間)、メキシコ出身の女児ソフィアちゃん(4歳・仮名)は、小腸の長さが短くなるか機能が低下し、栄養素の吸収に困難を来す短腸症候群を患っている。
しかし、医療施設が整っていないメキシコでは適切な治療が困難なため、ソフィアちゃんの両親は2023年に米国に人道的一時滞在許可を申請した。
一時滞在許可を得て米国で1年以上手術と治療を受けた結果、ソフィアちゃんは活気を取り戻した。ただし、依然として定期的な診察が必要で、中心静脈栄養(TPN)を通じて栄養素を摂取しなければ生活できない状態にある。TPNは経口摂取や消化管を通じた栄養摂取が不可能な患者に対し、静脈を通じて必須栄養素を供給する治療法だ。
しかし最近、トランプ政権が反移民政策を推し進める中、メキシコ出身の母親、コロンビア出身の父親、そして二人の娘であるソフィアちゃんまで全員が追放の危機に直面している。
この家族は無料法律相談所パブリック・カウンセルを通じて「米国で治療を受けられなければ、ソフィアは数日以内に死亡する可能性がある」と訴え、人道的滞在許可の延長を求めている。
ソフィアちゃんの主治医であるロサンゼルス小児病院のジョン・アスノルト博士は「栄養を摂取できなければ数日以内に死亡する可能性がある。TPNを受けている患者は国外に出るべきではない」と診断している。
この事例を知った米国のネットユーザーからは「どんな規則にも例外はあるべきだ。この家族の滞在を許可しても何の問題もないはずだ」「かつて人道的で慈悲深い模範だった米国がこのように変わってしまったのは残念だ」といった反応が寄せられている。一方で「その治療費を誰が負担するのか。結局は米国民だろう」と追放に賛成する意見も一部にある。