
米連邦控訴裁判所は、第一審裁判所によって差し止められたドナルド・トランプ大統領の相互関税措置を、控訴審の審理期間中に一時的に有効にすることを決定した。
29日(現地時間)ロイター通信によると、この日ワシントンDCの控訴裁判所は、第一審の連邦国際通商裁判所が前日に下したトランプ大統領の相互関税などを無効とする判決の効力を一時停止するよう命じた。これはトランプ政権が第一審判決を不服として緊急提出した「判決効力停止」の申し立てを認めたものだ。
ロイター通信は、控訴裁判所がこの命令を出す際、意見や理由を明らかにしなかったと報じた。これによりトランプ政権は控訴審の判決が出るまで関税を継続して課すことが可能となった。
連邦国際通商裁判所は、トランプ大統領が合成麻薬フェンタニル対策としてカナダ・メキシコ・中国に課した10~25%の関税と、先月2日に発表した事実上全世界の国々を対象とした相互関税の差し止めを求める原告団の請求を認め、これらの関税を無効とし、その施行を禁止する決定を下した。
第一審裁判所によって差し止められた関税はすべて国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて課されたものだ。裁判所は、トランプ大統領がIEEPAによって世界中のすべての国の商品に関税を課す無制限の権限を委任されているとは見なせないと判断した。
一方、トランプ大統領が通商拡大法232条などの法的根拠を用いて課した鉄鋼・アルミニウム・自動車などの品目別関税は影響を受けず、引き続き有効となっている。