
米中の貿易緊張が緩和したにもかかわらず、米企業のCEOの83%が景気後退を予測していることが明らかになった。
民間非営利のシンクタンク「コンファレンスボード」が「ビジネス・カウンシル」と共同で実施し、29日(現地時間)に発表した第2四半期のCEO信頼感指数の調査によると、83%のCEOが今後12〜16か月以内に景気後退が訪れると回答した。これは米連邦準備制度理事会(FRB)の急激な利上げにより景気後退懸念が高まっていた2022年末から2023年初頭の予測と同水準だ。
特筆すべきは、今回の調査が5月5日から19日の間に実施され、12日の米中貿易和解後の期間も7日間含まれていたにもかかわらず、景気後退の予測が急上昇したことだ。コンファレンスボードのシニアエコノミスト、ステファニー・ギシャール氏は「貿易和解の前後で回答した経営者たちは、いずれも現状を否定的に捉えていた」とし、「将来の見通しについては、米中貿易和解後に回答した経営者たちの方が、深刻な景気後退に関してはやや楽観的な傾向を示した」と述べた。
全体のCEO信頼感指数は、前四半期の60から第2四半期には34へと26ポイント急落した。50以下は否定的な回答が肯定的な回答を上回ったことを示す。第2四半期の指数は2022年第4四半期以来最低で、今回の下落幅は1976年の調査開始以来最大となった。
82%のCEOが現在の経済状況は6か月前より悪化したと回答した。これは第1四半期の11%から大幅に増加した数値だ。経済状況が改善したとの回答は、同期間に44%から2%へと急減した。自社が属する業界の評価でも、69%のCEOが6か月前より状況が悪化したと回答した。これは第1四半期の22%から急増した結果だ。
今後の見通しについて、64%のCEOが今後6か月間で経済状況がさらに悪化すると回答した。第1四半期の15%から大幅に増加した。改善するとの回答は、第1四半期の56%から第2四半期には18%へと急減した。
CEOが挙げた経済の最大のリスクは、地政学的な不安定性(59%)で、前四半期(55%)より増加した。これは米中貿易摩擦の影響と解釈される。次いで、貿易と関税をリスクとして挙げた回答も58%に達した。特に第1四半期では関税をリスクとして挙げた回答は「ゼロ」だったが、4月2日の相互関税発表以降、懸念が急増した。