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人間が努力して身につけた“気合”、キツツキは本能でやってた

平野大地 アクセス  

 引用: 米ブラウン大学
 引用: 米ブラウン大学

テニスの試合では、選手がサーブやストロークの際に「フン」と気合の声を発する。気合を入れることでラケットに強い力を伝え、体の均衡を保ち、エネルギー効率を高めて正確な打撃を実現するとする研究結果がある。

一方、キツツキも木をつつく際、テニス選手のように「フン」と息を吐く音を出すことが確認された。米国ブラウン大学とドイツ・ミュンスター大学の共同研究チームは8日(現地時間)、キツツキが木をつつく際、頭部、頸部、腹部、尾の筋肉を使って体を固定し、ハンマーのように打撃を加える仕組みを明らかにした。股関節屈筋と前頸筋を用いて衝撃を与えるという。

研究チームはさらに、キツツキが木をつつくたびに体幹筋群を安定させるため、動作と呼吸を同期させ、「フン」と息を吐く音を出すことを確認した。研究結果は、生命科学分野の国際学術誌『実験生物学ジャーナル(Journal of Experimental Biology)』11月7日号に掲載された。

キツツキは非常に強い力で木をつつく際、最大で400Gの衝撃を加える。Gは標準重力加速度を示す単位で、400Gは体重の約400倍に相当する衝撃を意味する。研究チームは、木をつつく際の筋肉の働きを解析するため、野生の小型のキツツキ8羽を捕獲し、硬い木片をつつく・叩く動作を3日間にわたり高速撮影した。

くちばしで木を打つ際の筋肉の収縮タイミングを把握するため、頭部、頸部、腹部、尾部、脚部の筋肉の電気信号を測定した。あわせて、気道内の気圧と声帯を通じて吐き出された空気量を記録し、呼吸の様子を分析した後、鳥を再び野生に戻した。分析の結果、股関節屈筋と前頸筋が木をつつく行動で重要な役割を果たしていた。これらの筋肉は、くちばしが木に突き刺さる瞬間に体を前方へ押し出す力を生み出すことが確認された。

頭部を後方に傾け、頭骨の下部と首の後ろにある三つの筋肉で支え、腹筋で体を保持していた。尾の筋肉を収縮させて衝撃に備え、打撃の瞬間には尾部の筋肉で腰を安定させ、体を木に固定していた。フサキツツキは全身の筋肉と骨を連動させて体を固定し、ハンマーのようにしてくちばしを木に突き立てていたとされる。

さらに、打撃の強度を状況に応じて調整することも確認された。強く打つ際は前股関節屈筋の収縮が強まり、衝撃が増す一方、軽く叩く際は力を緩めていた。呼吸の解析では、くちばしが木に当たる瞬間に「フン」と息を吐く呼気が生じることが分かった。ただし、木をつつく音が大きいため、この息の音は外部からほとんど聞き取れなかった。

研究を主導したブラウン大学のトーマス・ロバーツ教授は、「キツツキは1秒間に最大13回の速度で木を打ちつけるが、比較的弱い打撃の際には各打撃の合間に短く息を吸い込み、呼吸を衝撃と正確に同期させている」と述べた。「この呼吸パターンは胴体の筋肉の収縮を強め、『フン』という呼気によって打撃の強度を効果的に高めている」と説明した。

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