ライアンエアーのボーイング737、飛行中にエンジンの破片で窓が破損 妻と乗客らの機転で惨事を免れる

欧州の格安航空会社(LCC)ライアンエアーの旅客機が高度2万フィート(約6,000m)を飛行中に客室の窓が割れ、乗客が機外に吸い出される事故が発生した。窓の外に上半身が出た夫の足を妻が5分以上必死につかみ、かろうじて命を救った。
英デイリー・メールなど海外メディアが16日に報じたところによると、事故は10日午前、ギリシャのテッサロニキを出発しドイツのメミンゲンに向かっていたライアンエアー(子会社マルタ・エアが運航)のボーイング737-800型機で発生した。
離陸から約10分後、高度2万フィートに達した頃、大きな爆発音とともに旅客機のエンジンの一部が破損した。その破片(ファンブレード)が客室の窓を直撃し窓が粉々に割れ、瞬時に機内の気圧が低下した。機体は約9,000フィート(約2,700m)急降下した。
当時、破損した窓側の座席には、セルビア出身の61歳の乗客リュビシャ・カロヴィッチさんが座っていた。窓が外れた瞬間、激しい気流によりカロヴィッチさんの頭や肩など上半身が一瞬で機外に吸い出された。
絶体絶命の瞬間、隣の席にいた妻のスヴェトラナ・グルコヴィッチさんが、すぐに夫の足をつかんだ。幸いカロヴィッチさんがシートベルトを着用していたうえ、妻が約5分間、夫の足を必死につかみ続けたことで、夫は完全に機外へ投げ出されずに済んだ。
グルコヴィッチさんは現地メディアのインタビューで、「エンジンの一部が外れ、夫が座っていた場所の窓に当たったようだった」としたうえで、「すぐに夫の足をつかんだ。その瞬間は『死ぬなら一緒に死ぬ』という思いしかなかった」と、当時の切迫した心境を明かした。その後、周囲の乗客らが力を貸し、カロヴィッチさんをなんとか機内に引き戻すことができた。
救出直後、カロヴィッチさんは頭から血を流し、何度も意識を失った。グルコヴィッチさんも夫を引き寄せる過程で、腕と手にひどい摩擦やけどを負った。
恐怖の30分間を経て引き返す…過去の「サウスウエスト航空事故」と酷似
事故機は窓が破損したまま約30分間、危険な飛行を続けた末、出発地のテッサロニキ空港に無事引き返した。乗客らは「飛行機が墜落すると思った」「酸素マスクが降り、強烈な臭いが充満して息をするのが難しかった」と、恐怖の瞬間を証言した。
ライアンエアーは、地上で待機していた医療チームが負傷者を直ちに病院へ搬送し、代替機を投入して乗客を目的地まで輸送したと明らかにした。
今回の事故は、2018年に米サウスウエスト航空の旅客機で、エンジンの破片が窓を割り、乗客1人が機外に吸い出されて死亡した事故と非常によく似ている。事故機は機齢18年のボーイング737NG型機で、同機にはCFMインターナショナル製のCFM56エンジンが搭載されている。
現在、事故が起きた空域を管轄する北マケドニア当局が調査を主導しており、航空機メーカーのボーイングも事故の経緯とエンジン破損の原因に関する共同調査に着手した。
















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