
アラスカ沖で発生した貨物船火災が、発生から数日経った現在も鎮火していない。米紙ニューヨーク・タイムズなど複数の海外メディアは5日(現地時間)、約3000台の車両を積載した貨物船「モーニング・ミダス」が依然として炎上中であると報じた。

事故が起きたのは3日。リベリア船籍の「モーニング・ミダス」はアラスカ・アダック島の南約480km沖で突然火に包まれた。乗組員たちは自力で消火を試みたものの失敗し、22人全員が救命ボートに乗り込み、近くを航行していた商船に無事救助された。現在、無人の貨物船が広大な海上で燃え続けている状態である。
米沿岸警備隊が5日にヘリコプターから撮影した映像には、依然として船体から炎と黒煙が立ち上る様子が映っていた。ただし、船体が傾いていたり浸水している兆候は確認されていない。

問題は、この火災が短期間で自然に鎮火する見込みが極めて低い点にある。消火設備を備えた初動の曳航船が現場に到着するのは早くても9日以降になるとみられている。
報道によると、「モーニング・ミダス」は昨年12月26日に中国・煙台港を出港し、メキシコへ向かっていた。積載していたのは電気自動車70台、ハイブリッド車680台を含む合計3000台以上の車両である。
火災の出火原因はまだ明らかになっていないが、一部では電気自動車に搭載されたリチウムイオンバッテリーの発火を疑う声も出ている。
これについて米沿岸警備隊は「火災の発生源を電気自動車に断定するのは時期尚早」としつつも、「リチウムイオンバッテリーには爆発のリスクがあり、有毒ガスを発生させる可能性があるため、安全な距離を保って経過を注視している」とコメントしている。