メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

「戦争の常識が変わった」ウクライナ「蜘蛛の巣ドローン作戦」は中国vs台湾でも再現可能?

荒巻俊 アクセス  

引用:Depositphotos
引用:Depositphotos

ロシア戦略爆撃機を撃破したウクライナのドローン作戦が「21世紀のトロイの木馬」、「現代版真珠湾攻撃」と評され、戦争の常識を覆したとの評価が広がっている。

6月1日、ウクライナはトラックに積載したドローンをロシア領内深くまで運び込み、自動爆破する方式でイリクーツク州の空軍基地に配置されたTu-95やTu-160などの戦略爆撃機を破壊した。この「蜘蛛の巣」作戦により、ロシア国境から約4,000kmも離れた後方基地が無力化された。

ドローン戦術が描き出す「新しい戦争」

アメリカ空軍参謀総長デービッド・オルビンは「ドローンの進化と非対称戦争の時代において、もはや絶対的な安全地帯など存在しないことを今回の攻撃は示した」と述べた。戦術の巧妙さと機動性が、伝統的な軍事防御の枠組みを揺るがしている。

米シンクタンク「ランド研究所」のティモシー・ヒース研究員も「ドローンは標的に極めて近い地点に設置可能で、防衛が難しい。もはや戦場に『後方』は存在しない」と指摘する。

中国にとっての教訓、台湾海峡に広がる懸念

この攻撃が示すのは、ウクライナとロシア間だけの問題ではない。中国人民解放軍空軍の元軍人で軍事航空アナリストの傅前哨(フー・チェンシャオ)は「この種の攻撃は諜報機関や特殊作戦部隊によって容易に実行され得る」と語り、「中国にとっての教訓は、敵の潜入による軍事基地攻撃をあらゆる手段で防がなければならないという点だ」と強調する。

中国はロシアと同様、内陸部に広大な戦略後方地帯と多数の軍事拠点を持つが、そこももはや安全とは言えない。

国際軍事情報会社「ジェーンズ」の情報責任者コスタス・ティグコスは「中国もこうしたドローン攻撃に脆弱であり、特に沿岸の要衝は大きなリスクを抱えている」とし、防衛コストの高騰が避けられないと見ている。

台湾からの反撃、再現は可能か

一方、台湾による同様の「蜘蛛の巣」作戦の再現性について、ヒース研究員は懐疑的だ。「台湾は地理的に中国本土と隔たっており、爆薬を海峡越しに輸送するのは現実的でない。国境を接するウクライナとは条件が異なる」と分析する。

ティグコスも「台湾は小規模な国家であるがゆえに、侵入経路の監視や制御がロシアよりも行いやすい」とし、ドローン戦術に対して一定の優位性があるとの見方を示している。

ドローンは新たなテロの形へ進化するのか

フー・チェンシャオ氏は、今回のようなドローン戦術が将来的にテロリズムの新たな手段へと進化する可能性に懸念を示す。「正規軍だけでなく、非国家主体によるドローン攻撃が常態化すれば、国家の安全保障構造そのものが崩れる」と警告した。

ティグコスは、すべての軍事・機密施設にドローン防衛網を張り巡らせるとともに、国境管理を徹底する必要性を訴える。ドローン戦争の時代において、物理的距離はもはや防衛の保証にはならないことを今回の作戦は示している。

荒巻俊
aramakis@kangnamtimesjp.com

コメント0

300

コメント0

[ニュース] ランキング

  • 「中国に徹底抗戦!」台湾、“天弓4”を初公開…“台湾版THAAD”で迎撃網を構築、新型無人機も一斉投入
  • モスクワに北朝鮮「金正恩崇拝アート」襲来!派兵賛美の絵まで展示、“ロシアとの危険な蜜月”を誇示
  • 世界新聞協会、米政権の「記者ビザ5年→240日」短縮に猛反発…報道自由の崩壊を警告し“撤回声明”を発表
  • 国際社会の非難噴出も…米・イスラエル関係は「鉄壁」ルビオ国務長官、ネタニヤフ首相と会談し“揺るぎない支持”を示す
  • トランプ氏、訪英中に米英「技術パートナーシップ」締結へ…“先端技術同盟強化”で世界のテック勢力図に波紋
  • イラン、安全保障当局が「IAEA査察再開」を承認…欧州が“制裁復活”なら即中止

こんな記事も読まれています

  • 【スクープ】ポルシェ「カイエン・クーペEVターボGT」目撃!総出力1,000馬力超で2026年以降登場へ
  • 【ホンダ】ジャパンモビリティショー2025で「ホンダ0シリーズ」初公開…サルーン&SUVプロトタイプ登場
  • 【トヨタ】RAV4&ランドクルーザー派生の新型EV SUV…米ケンタッキー工場で生産、2027年までに投入
  • ボルボCEO警告「中国EV攻勢で欧米ブランドは一部消える」…完全EV化計画を修正しつつも“電動化は不可逆”
  • 「手榴弾の10倍の効力」…実際に当たったときに見える視界、閃光手榴弾が生む地獄
  • 世界新聞協会、米政権の「記者ビザ5年→240日」短縮に猛反発…報道自由の崩壊を警告し“撤回声明”を発表
  • 国際社会の非難噴出も…米・イスラエル関係は「鉄壁」ルビオ国務長官、ネタニヤフ首相と会談し“揺るぎない支持”を示す
  • トランプ氏、訪英中に米英「技術パートナーシップ」締結へ…“先端技術同盟強化”で世界のテック勢力図に波紋

こんな記事も読まれています

  • 【スクープ】ポルシェ「カイエン・クーペEVターボGT」目撃!総出力1,000馬力超で2026年以降登場へ
  • 【ホンダ】ジャパンモビリティショー2025で「ホンダ0シリーズ」初公開…サルーン&SUVプロトタイプ登場
  • 【トヨタ】RAV4&ランドクルーザー派生の新型EV SUV…米ケンタッキー工場で生産、2027年までに投入
  • ボルボCEO警告「中国EV攻勢で欧米ブランドは一部消える」…完全EV化計画を修正しつつも“電動化は不可逆”
  • 「手榴弾の10倍の効力」…実際に当たったときに見える視界、閃光手榴弾が生む地獄
  • 世界新聞協会、米政権の「記者ビザ5年→240日」短縮に猛反発…報道自由の崩壊を警告し“撤回声明”を発表
  • 国際社会の非難噴出も…米・イスラエル関係は「鉄壁」ルビオ国務長官、ネタニヤフ首相と会談し“揺るぎない支持”を示す
  • トランプ氏、訪英中に米英「技術パートナーシップ」締結へ…“先端技術同盟強化”で世界のテック勢力図に波紋

おすすめニュース

  • 1
    マイナス20度冷凍倉庫で女性が「絶体絶命」…通りすがりの配達員が“奇跡の救出”、凍死寸前からの生還劇

    トレンド 

  • 2
    【トヨタ】RAV4&ランドクルーザー派生の新型EV SUV…米ケンタッキー工場で生産、2027年までに投入

    モビリティー 

  • 3
    中国機内で男が突然「服を脱ぎ大暴れ!」…飛行中に暴走し乗客パニック、恐怖の修羅場に

    トレンド 

  • 4
    ボルボCEO警告「中国EV攻勢で欧米ブランドは一部消える」…完全EV化計画を修正しつつも“電動化は不可逆”

    モビリティー 

  • 5
    【スクープ】メルセデス新型「ミニG」を初キャッチ!価格はGクラスより大幅ダウン、電動化で新市場狙う

    フォトニュース 

話題

  • 1
    「目の前にいたのに…」彼女がアンカー起用されなかった“屈辱の真相”

    エンタメ 

  • 2
    「安全点検済みのはずが…」SEVENTEENライブで予期せぬ花火事故発生

    エンタメ 

  • 3
    「鳥肌が立つほど嬉しかった」チャ・テヒョン、親友ジョングクの結婚に感涙告白

    エンタメ 

  • 4
    パク・ジニョン、大統領直属ポスト就任!2PMウヨン「兄さんは偉大すぎる」

    エンタメ 

  • 5
    「私の夫に間違いない」パク・ボム、またもやイ・ミンホに執着投稿

    エンタメ 

シェア

[cosmosfarm_share_buttons url="https://dailyview.net" title="ピッコン" align="center"]