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2025年06月11日水曜日
ホームニュース【株式情報】テスラ株にトランプとの対立が影を落とす、アナリストらが投資意見を「買い」から「保留」へ

【株式情報】テスラ株にトランプとの対立が影を落とす、アナリストらが投資意見を「買い」から「保留」へ

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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ウォール街の一部のアナリストがテスラに対する投資格付けを引き下げた。これまでテスラに強気だった彼らだが、トランプ大統領との激しい対立など、現在は注意すべき否定的要因が多すぎると判断したためだ。

9日(現地時間)海外メディアによると、ベアード・エクイティ・リサーチのアナリストはこの日、テスラに対する投資意見を「強気」から「中立」に引き下げた。同社はテスラの目標株価を320ドル(約4万6,370円)と設定した。アーガス・リサーチのアナリストも同日、テスラに対する投資意見を「買い」から「保留」に下方修正した。

ファクトセットがテスラを担当するウォール街のアナリスト55人を対象に調査したところ、27人が強気、17人が中立、11人が弱気との見方を示した。

ベアードのアナリストによると、テスラの株価は第1四半期の業績不振にもかかわらず、4月8日の年初来安値から33%上昇したという。この上昇は主に、低価格電気自動車の発売と、6月12日にテキサス州オースティンで開始予定のロボタクシーサービスへの期待感によるものだと分析している。

しかし、アナリストはイーロン・マスクCEOが来年下半期までに数十万台のロボタクシー運行を約束したのは過度に楽観的な見通しであり、実際には6,000台程度にとどまるとの見方を示した。テスラが予想以上に困難で収益性の低い事業に直面しているということだ。

アナリストはまた、マスクとトランプ大統領の公然とした激しい対立がテスラにかなりの不確実性をもたらしていると指摘している。トランプ大統領との関係が良好だった時でもブランド毀損の懸念が高かったが、現在は持続的な成長の証拠が確認されるまで不確実性が続くと分析している。

アーガス・リサーチのアナリスト、ビル・セレスキー氏は、予想を下回る米国内の電気自動車需要の伸びと、フォード・モーターやGMなどの競合他社の電気自動車製造能力向上により、競争環境が一段と厳しくなったと指摘した。

セレスキー氏は格下げの主な理由として、テスラが「ファンダメンタルズから乖離した要因で取引されている」点を挙げた。さらに「今後、トランプ大統領とイーロン・マスクCEOの対立激化や電気自動車補助金の終了により、テスラへの需要がさらに弱まる」との見通しを示した。

ベアードのアナリストも、トランプ大統領の税制・歳出法案が可決された場合の電気自動車税額控除の廃止を反映し、来年度の車両販売予想を引き下げた。

マスク氏は以前、電気自動車税額控除の廃止に反対せず、テスラが他ブランドより影響を受けにくいと主張していた。しかし最近では、トランプ法案に含まれる「くだらない内容」により電気自動車・太陽光発電の税額控除が廃止されることへの不満を表明し、これがトランプとの対立を煽る要因となった。

マーケットウォッチは、今回の大統領とマスクの公然たる対立が、財務指標よりも感情に左右されやすいテスラ株の最悪のシナリオを示していると分析している。特に、マスクと大統領の関係がテスラ株上昇の主要因だっただけに、その影響は大きいと指摘した。

テスラ株は昨年11月5日の大統領選以降、年末までに60%以上上昇した。これは投資家がマスク氏とトランプ政権の密接な関係が同社に好影響を与えると期待したためだ。しかし、政府効率化部門(DOGE)を率いるマスク氏の政治活動が活発化するにつれ、トランプとの関係は弱みとなっていった。

政府の予算削減への反発やマスク氏の政治活動によるテスラのイメージ低下で株価が急落するなど、同社の株価は主力事業の動向よりもイベント要因に左右される傾向が強まっている。

底値を予測するのは難しいが、今年に入ってテスラ株は220ドル(約3万1,879円)付近で下値を固めている。マーケットウォッチの取材に応じたフリーダム・キャピタル・マーケッツのチーフ・グローバル・ストラテジスト、ジェイ・ウッズ氏は、この価格帯が投資家の注目すべき底値ラインだと指摘した。この水準は木曜日の終値から約23%下落した価格に相当する。

ただし、ウッズ氏は全体的な状況がテスラに不利に働いていると分析している。マスク氏はすでにテスラの伝統的な顧客基盤である環境重視の民主党支持者から離反しており、今やトランプ支持の共和党員からも反感を買っているという。欧州ではすでにイメージ低下と販売急減が続いており、最大市場の中国では地場の電気自動車メーカーとの激しい競争に直面している。

テスラ株は年初来26%下落している。この日のニューヨーク市場でテスラ株は下落して取引を開始したが、東部時間午前11時30分にはプラスに転じ、0.1%高の295ドル(約4万2,747円)で取引されている。

引用:TradingView
引用:TradingView

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