
野党代表が、日本は環太平洋パートナーシップ(TPP)協定で大きな役割を果たしたことを、米国との関税交渉の交渉手段として活用すべきだと主張した。
9日(現地時間)のブルームバーグによると、立憲民主党の野田佳彦代表は、日米関税交渉の進展が不透明な中、この日記者会見でこう述べたという。
野田代表は、中国と台湾がともに加入を推進中のアジア貿易協定であるTPPの拡大を、米国との貿易交渉における交渉カードとして活用すべきだと主張した。また、「自由貿易の促進が米国の保護主義政策の見直しにつながる可能性もある」と付け加えた。
2019年の貿易協定に基づき、日本は米国産の牛肉と豚肉に対し、「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」加盟国と同等の条件で日本市場へのアクセスを認めた。当時、米国は日本車に対する追加関税を課さなかった。
日本はトランプ大統領が課した自動車への25%関税や鉄鋼・アルミニウムに対する50%関税など、広範な新規関税の免除を求めている。トランプ政権の関税政策により、日本の対米輸出の約半分を占める自動車輸出が急減するなど、大きな打撃を受けている。
これまで、日本の首席貿易交渉官である赤沢亮正氏が毎週米国を訪問し、石破茂首相とトランプ大統領の間で複数回の対話が行われたにもかかわらず、進展は見られていない。
野田代表のこの発言は、7月に予定されている参議院選挙を控えてのものだ。今回の選挙ではインフレーションが最大の争点になると予想される。トランプ大統領の貿易戦争がこの問題をさらに悪化させる可能性がある。
野党は、インフレによる生活費危機を緩和するため、消費税を1年間凍結し、全国民に2万円の一時金を支給する案を提案している。野田代表は、この計画の財源として、財政準備金や外貨準備金などの既存の資金を活用できると述べた。
石破首相はすでに野党の減税案を拒否しており、減税が社会保障制度の財政を危うくすると主張している。