21.4 C
Tokyo
2025年06月13日金曜日
ホームニュース【中国、デフレの深淵へ】“対米輸出”9.7%急落で止まらぬ景気失速...ロンドン協議で米中決戦なるか

【中国、デフレの深淵へ】“対米輸出”9.7%急落で止まらぬ景気失速…ロンドン協議で米中決戦なるか

引用:depositphotos
引用:depositphotos

米中貿易摩擦が続く中、中国では物価の下落と景気後退を伴う「デフレーション」への懸念が一段と強まっている。主要な経済指標の回復が鈍い状況の中、中国は9日(現地時間)から英国・ロンドンで開催される米国との第2次通商協議で打開策を模索すべく、総力を挙げて交渉に臨むとの見方が出ている。

同日の中国国家統計局の発表によると、5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.1%下落し、4カ月連続のマイナスとなった。今年3月と4月の下落率(-0.1%)と同水準であり、ロイター通信がまとめた市場予想(-0.2%)を上回った。一方、生産者物価指数(PPI)は前年同期比3.3%下落し、22カ月ぶりの大幅な下落となった。前月(-2.7%)はもとより、ロイター通信の市場予想(-3.2%)を下回り、32カ月連続のマイナスとなった。ロイター通信は「“世界の工場”とも呼ばれる中国が米国の関税の影響を受けており、ロンドンで再開される米中貿易協議の行方も依然として不透明だ」と分析した。さらに「雇用不安などから個人消費が抑制される中、一部企業は値下げ競争に踏み切っており、中国当局は自動車業界などに対して過度な値引きを控えるよう呼びかけている」と報じた。

先月の中国の輸出は、米中関税合戦の一時的な休戦にもかかわらず、前年比で4.8%増にとどまり、ロイター(5.0%)やブルームバーグ(6.0%)の予想を下回った。ロイター通信(5.0%)とブルームバーグ通信(6.0%)の予想をいずれも下回る結果となった。輸入額は同期間に3.4%減少し、ロイター通信の予想(0.9%)を大幅に下回った。米国との関税戦争が本格化した4月には予想を大きく上回る8.1%増を記録したが、先月は両国が休戦に入ったにもかかわらず輸出は減少した。特に対米輸出が9.7%減少し、欧州連合(EU)や東南アジア諸国連合(ASEAN)向け輸出の増加効果を相殺した。

また、米中対立の焦点の一つであるレアアース(希土類)の輸出統制に関しては、5月の中国のレアアース輸出量は5,865トンと、4月の4,785トンから23%増加したものの、前年同月(6,217トン)には及ばなかった。

米中両国は9日にロンドンで閣僚級の通商協議を行い、レアアースなど戦略物資の輸出管理を主要議題とする見通しである。米国は関税戦争の一時休戦後も、中国によるレアアースの輸出統制に対抗し、航空機用エンジンや半導体設計ソフトなどへの対中輸出規制を一層強化している。

関連記事

コメントを書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください