
米国と中国がイギリス・ロンドンで行った第2回貿易交渉で、中国はレアアース輸出規制を緩和するが6か月の制限を設けると、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が11日、関係筋の話として報じた。
同紙は、中国が自動車などのメーカーへのレアアース輸出許可に6か月の制限を設けたことは、貿易摩擦が再び高まった場合に中国に交渉力を与え、米国産業に不確実性をもたらすと伝えた。
WSJは、レアアース輸出規制緩和が交渉の突破口となったが、緊張を再び高める手段を誰が握っているかを示したと評価した。
関係筋によると、中国がレアアース輸出規制を緩和する条件として、米国はジェットエンジンと関連部品、プラスチック製造に重要な天然ガス成分であるエタンなどの輸出規制を一部緩和することで和解した。
関係筋は、レアアース輸出許可申請は、先月のジュネーブ会談の実施に関する枠組みにドナルド・トランプ大統領と習近平国家主席が正式署名した後、最短で1週間以内に承認される可能性があると付け加えた。
トランプ大統領は11日、自身のSNSトゥルースソーシャルで「中国は磁石と必要なレアアースをすべて先制的に供給する」と投稿したが、6か月の期限には言及しなかった。
中国が輸出を許可するレアアースは、主に電気自動車、風力タービン、家電製品および軍事装備の製造に使用されるものが含まれる予定だ。
WSJは、両国が8月までにより包括的な貿易協定を交渉し、その期限を延長する可能性があると伝えた。
トランプ大統領は対中関税を55%課すと明らかにした。中国の対米関税は10%で変わらない。
これは先月10〜11日のスイス・ジュネーブ会談で和解した30%を上回る。米中は当時、それぞれ145%、125%課していた関税を30%、10%に引き下げることで和解していた。
トランプ大統領が対中関税を25ポイント引き上げたことについて、ホワイトハウス関係者は、基本関税10%、フェンタニル名目関税20%に、政権発足以前から適用されていた約25%が加算された数字だと説明した。
WSJは、中国のレアアース輸出許可に対してジェットエンジンや部品などの輸出規制を緩和する一方で、中国が先端チップやAIなど戦略的分野での野心を達成するために米国の技術にアクセスするのを阻止する措置は撤回しないだろうと伝えた。
ある関係筋は「それは議論の対象ではないが、中国は引き続き要求を押し通そうとするだろう」と述べた。