
ウクライナとの平和交渉でロシア側の代表団を率いるウラジーミル・メジンスキー大統領補佐官が「ロシアとの長期戦は不可能だ」と主張した。
10日(現地時間)、メジンスキー補佐官は米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで「歴史的にロシアと長期戦を行った勢力は必ず敗北した」と述べた。彼は18世紀のスウェーデン帝国とロシアが対峙した大北方戦争(1700~1721年)を例に挙げ、「その戦争は21年も続いた。我々はそのような事態を望まず、平和を求めている」と語った。さらに「ウクライナが妥協しなければ、より多くの領土を失うだけだ」と警告した。
メジンスキー補佐官は「我々は平和を望んでいる。しかし、ウクライナが他国の国益に振り回され続けるなら、我々は本当にやむを得ず対応せざるを得なくなる」と述べた。彼はまた、西側諸国がロシアとウクライナを英国とフランスのように異なる歴史と文化を持つ二つの国家と見なす誤りを犯したとし、ウクライナとロシアは共通の言語と文化を持つ同族として近い同盟関係を築く運命にあると主張した。
メジンスキー補佐官は「一方が年上で、もう一方が若い二人の兄弟が誰がより賢く重要かを巡って争っているようなものだ」と述べ、「この争いは悲しいことに我々の間の不和を助長している。それこそが我々ができるだけ早く戦争を終結させたい理由だ」と語った。
今月初め、ウクライナが「クモの巣」作戦と呼ばれるロシア本土の空軍基地への大規模奇襲で少なくとも12機の戦略爆撃機を破損させたことについて、メジンスキー補佐官は特に影響はなかったとし、その意義を矮小化する姿勢を見せたとWSJは報じた。
WSJは、メジンスキー補佐官がロシアと長期戦を行った勢力は必ず敗北したと主張したことに対し、ロシアの前身であるソ連がアフガニスタン紛争(1978~1989)で深刻な打撃を受け、2年後に崩壊したことなど、ロシアが敗北した事例も複数あると指摘した。
ウクライナ戦争勃発直後の2022年初頭にロシア交渉団を率いて停戦協議を進めたメジンスキー補佐官は、ロシアのウクライナ侵攻を正当化する論理の構築に先頭を切ってきた歴史修正主義者だ。
一方、ウクライナとロシアは今月2日、トルコ・イスタンブールで2回目の交渉を行ったが、停戦などの核心問題での溝を埋められず、先月16日の1回目の交渉と同様に戦争捕虜と戦死者の遺体交換のみで合意するにとどまった。