
米テスラの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏が、自身のソーシャルメディアX(旧Twitter)を通じて、ドナルド・トランプ米大統領に謝罪の意を示した。この投稿が、投資家から好意的に受け止められている。
11日(現地時間)経済誌「フォーチュン」は、マスク氏が15語の短文でトランプ大統領を非難した自身の行動が「やりすぎだった」と後悔を表明したことに対し、テスラ投資家たちが「米中の貿易和解以上に喜んでいる」と報じた。
両者の不和が表面化した後、テスラの時価総額は1,500億ドル(約21兆6,090億2,018万円)以上消失した。
テスラ投資家たちは、今回の謝罪ツイートにより、世界最大の富豪であるマスク氏と、世界で最も影響力のあるトランプ大統領との関係が修復されることへの期待が高まっている。さらに、テスラが米政府からの報復を回避できるとも見込んでいる。
トランプ大統領もマスク氏に対する姿勢を軟化させている。最近、マスク氏について「彼に何の問題もない」と述べた。
マスク氏の投稿を受け、米国株式市場でテスラ株は一時2.9%まで上昇した。
11日のテスラ株価上昇の背景には、マスク氏がテスラのロボタクシーの試験走行を22日に実施し、「車両が初めて工場から顧客宅まで自動運転する日は6月28日になる」と発表したことも要因となった。
現在、テスラは米テキサス州オースティンで予備走行を行っており、最大20台を投入する予定だという。
一方、「フォーチュン」は、マスク氏の謝罪投稿に対する投資家の反応は好意的である一方で、株式投資家たちは米中両国が英ロンドンで行った貿易戦争の休戦に和解したという具体性に欠ける内容には特段の反応を示していないと伝えた。
ドイツ銀行でグローバル・マクロ経済ディレクター、ジム・リード氏は覚書の中で、「2018~19年のトランプ政権初期にも米中交渉団は対面協議を行い、当初は建設的だったが、帰国後には後退した経緯がある」と指摘した。