
中国がロンドンで最近行われた米中高官級貿易協議に関連し、米国に対し合意の履行を強く求めた。
中国国営通信「新華社」によると、6月12日、外交部のリン・ジェン報道官(林剣報道官)は定例記者会見で「中国は常に『言ったことは必ず実行し、実行したからには必ず成し遂げる』という原則を堅持してきた」と述べたうえで、「合意に至った以上、双方には履行の責任がある」と強調した。また「米国が中国と共に合意を履行し、対話を重ねることで誤解を解消し、協力関係を深めてほしい」と語った。
リン報道官は、希土類(レアアース)供給や55%の相互関税といった具体的な合意内容について問われ、「両国は5日の首脳電話会談で得られた重要な合意を履行し、ジュネーブ会談の成果を強固にするための措置の枠組みにおいて原則的な合意を得た」と述べるにとどめた。
また、ドナルド・トランプ米大統領が会談結果をSNSで先に公表した件については、「中国側も前日に立場を明確にしている」とし、詳細なコメントは控えた。
一方、中国の「経済実務責任者」としてロンドン協議に参加した国務院のホー・リーフォン副総理(何立峰副総理)は前日、「中国は、双方が約束を守る信頼精神と合意を誠実に履行する努力によって、ようやく得られた対話の成果を共同で維持すべきだ」と改めて強調した。
トランプ大統領は11日(現地時間)、米中協議が終了した後、SNS「トゥルース・ソーシャル」にて「中国との合意は完成しており、シー・ジンピン国家主席と私の最終承認を受けなければならない」と述べ、「永久磁石および必要なすべてのレアアースは、中国から『前払い(up front)』形式で供給される」と説明した。さらに「我々の大学に在籍する中国人学生に関する内容を含む合意事項を、中国に提供する」とも明かした。
ただし、米国が中国に対して出していた要望の中核とされる、対中半導体輸出規制強化措置の緩和に関して、どのような合意があったかについてはトランプ大統領からの言及はなかった。
この日、中国商務部も特定のレアアース関連品目について、法律に基づきすでに輸出許可を出していることを明らかにした。
商務部のホー・ヤードン報道官(何亜東報道官)は同日の記者会見で「各国民間分野の合理的な需要や懸念を十分考慮し、法に基づいてレアアース関連品目の輸出許可申請を審査している」と述べたうえで、「規定に適合する申請については、承認作業を引き続き強化する」と話した。ただし、輸出許可を得た国名などの具体的な情報は明かさなかった。