暗号通貨ビットコイン（BTC）の価格に関する30種類のオンチェーン指標は、まだ市場の高値シグナルを示していない。
これにより、投資家は「現在は保有資産をすべて維持する方が有利だ」との見方が出ている。
仮想通貨データプラットフォーム「コイングラス」は、代表的な強気相場のピーク時に有効だった30種類の代表的な指標を基に、ビットコインが今回のサイクルで13万5,000ドル～23万ドル（約1,950万～3,322万円）まで上昇する余地があると分析した。
13日（現地時間）、トレーダーのキャス・アビー氏（Cas Abbe）はX（旧ツイッター）上で「今回の上昇相場はまだ終わっていない」と述べ、該当指標の分析結果を共有した。
アビー氏は、特に「パイサイクルトップ（Pi Cycle Top）」、「市場価値対実現価値（MVRV）」、「長期相対力指数（RSI）」の3つの指標を強調し、現在のビットコイン価格はなお上昇余地を秘めていると主張した。
コイングラスが追跡している30個の指標は、過去の強気相場におけるピークを捉えるために設計されたモデルだ。これらのうち一つも現在高値信号を発していないという点は、市場がまだ過熱していないことを示唆している。
コイングラスは現在、ビットコインを「100%保有（hold 100%）」すべき資産として分類している。
一方で、短期的にはビットコインの価格動向について懐疑的な見方も存在する。
一部の市場参加者は、最近の価格動向が2021年末の弱気相場開始直前と類似していると指摘している。
トレーダーのロマン氏（Roman）は「現在の価格動向は分散（distribution）に近く、蓄積（accumulation）や強気な形態とは程遠い」と分析した。さらに「今の流れは2021年末と似ており、大口投資家が上昇局面で売却している様子が見受けられる」と付け加えた。
ボリンジャーバンド（Bollinger Bands）の考案者であるジョン・ボリンジャー氏（John Bollinger）も、最近の分析でビットコインの上昇が調整や反転につながる可能性があると警告した。ビットコインは14日午後9時30分時点で10万5,000ドル（約1,515万円）前後で取引されており、ボリンジャーバンド指標上では3度の抵抗に直面している。
コインテレグラフなどによると、現在と4年前を比較した際の最大の相違点は「機関投資家による需要の存在」だという。当時と異なり、現在の市場にはETFの承認、取引プラットフォームの拡大、大型ヘッジファンドの参入など、より発展したエコシステムが形成されているためだ。