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「世界の仲介者」を夢見たトランプ、「三つの戦争」直面で外交主導権喪失か トランプの中東政策に異変の兆し

荒巻俊 アクセス  

1期目の「核和解」一方的破棄が招いたイランとの核交渉難航

ネタニヤフの先制攻撃…米国、中東紛争の渦中に

引用:Youtube@SkyNews

ドナルド・トランプ米大統領は今年1月の就任演説で、ロシア・ウクライナ戦争とガザ地区の紛争終結を宣言し、ノーベル平和賞への野心を露わにした。しかし13日、イスラエルによるイラン攻撃を機に、トランプ大統領は就任からわずか5か月で「三つの戦争」に直面する事態に陥った。「仲介者」としての主導権を失い、戦争に翻弄される「受動的プレーヤー」と化したのは、すべて自らの選択の結果だと指摘されている。

トランプ大統領は、イラン攻撃の許可を求めるイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の要請を拒否し、イランとの核交渉を5回にわたり進めてきた。しかし、2018年の初任期中にイラン核合意(JCPOA)を一方的に破棄した代償として、交渉は行き詰まりを見せている。JCPOAは、オバマ前政権下で締結された協定で、イランが核兵器に転用可能な高濃縮ウラン生産を放棄する見返りに、西側諸国がイランへの制裁を解除するという内容だった。

トランプ大統領のJCPOA離脱後、核開発を再開したイランは現在、意思さえあれば1週間で核爆弾1発分の高濃縮ウランを生産できる水準に達している。イランの交渉力が増す一方で、トランプ大統領の選択肢は狭まった。民生用の低濃縮ウラン生産を許可すれば、「それならなぜJCPOAを離脱したのか」という批判が必至だからだ。そのため、トランプ大統領は当初、イランに低濃縮ウランを許可する姿勢を示していたが、後に0%濃縮も認められないと立場を変えた。核兵器製造の一歩手前まで来ているイランが、これを受け入れるはずがない。

この状況下で、ネタニヤフ首相が交渉の場を完全に破壊するためにイランへの先制攻撃を行ったことで、トランプ大統領は避けようとしていた中東紛争の渦中に引き込まれつつある。トランプ大統領は、イスラエルの攻撃計画を事前に知っていたと述べたが、ネタニヤフ首相からいつ通知を受け、どう対応したかは明らかにしていない。トランプ大統領は「まだ最後の交渉の機会が残っている」とイランへの圧力をかけようとしているが、交渉中に核施設を攻撃されたイランの対米不信は頂点に達している。

ガーディアンは「ネタニヤフ首相がトランプ大統領を圧倒し、トランプ大統領は米国の外交政策のコントロールを失いつつある」と指摘した。これもまた、ネタニヤフ首相を抑え込めなかったトランプ大統領自身が招いた事態だ。

トランプ大統領は就任直後の2月、議会の反対を回避してイスラエルに80億ドル(約1兆1,600億円)以上の新規武器供与を発表した。ネタニヤフ首相との会談でガザ地区を「中東のリビエラ」にすると述べてからわずか数日後のことだった。さらに、反ユダヤ主義撲滅を掲げ、親パレスチナデモに参加する大学生の大規模逮捕作戦を展開した。こうした姿勢が、イランの報復攻撃時に米国が自国を見捨てないという確信をネタニヤフ首相に与え、イランへの先制攻撃を可能にした。

トランプ大統領の中東政策が支持基盤を分断し、自らの足を引っ張る結果を招く兆しも見え始めている。「米国第一主義」を支持してきたMAGA(米国を再び偉大に)派は、早くもトランプ大統領に「イスラエルから手を引け」と警告を発している。

フォックス・ニュースの元アンカーで親トランプ派のタッカー・カールソン氏は、米軍事介入を要求する政治家を「戦争屋」と非難し、「『米国第一主義』に反する」と批判した。右翼活動家のジャック・ポソビエッツ氏は「(来年の)中間選挙が迫っている」とし、「イランとの新たな紛争が夏の原油価格にどう影響すると思うか」と問いかけた。

しかし、トランプ大統領が、伝統的な共和党支持者から絶対的な支持を得ている「中東の盟邦」イスラエルを放棄することは容易ではないという観測が優勢だ。

荒巻俊
aramakis@kangnamtimesjp.com

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