「30万人が死亡する可能性も」最悪の災害に備え大規模な防災対策を開始

南海トラフ巨大地震が発生した場合、経済損失は1,466兆円に達し、最大で30万人が犠牲になるとの予測を受け、政府は大規模な防災対策に乗り出している。
内閣府は、最近発表した「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」に基づき、今後10年で死者数を80%、建物の倒壊・焼失を60%削減することを目標としている。
11日付の「毎日新聞」によると、日本土木学会は最新の報告書で、南海トラフ巨大地震が発生した場合、復旧に約22年かかるとの見通しを示した。
南海トラフ巨大地震とは、静岡県沖から四国南部の海域にかけて南西方向に延びる南海トラフで、100〜150年周期で発生するとされるマグニチュード8〜9クラスの巨大地震である。
今年1月、政府の地震調査委員会は、今後30年以内に南海トラフ巨大地震が発生する確率は80%に達すると発表された。
さらに3月には、地震および津波による初年度の経済損失が、最大で292兆円に達するとの予測も出されている。
これにより、1944年と1946年に発生した大地震以来、約80年ぶりの巨大地震発生への懸念が高まっている。
政府は、海岸の防潮堤整備率を42%から50%に引き上げるとともに、防潮堤の開口部を遠隔操作可能にする方針を打ち出している。また、社会福祉施設周辺の塀の耐震補強完了率を2030年までに53%に引き上げ、上下水道の耐震化率も同年までに32%まで向上させることで、生活インフラの強化を図るとしている。