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2025年06月23日月曜日
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【残弾あと1300発!?】イランの“核パンチ”が尽きかけた今、イスラエルが狙う“最後の地下施設”とは

引用:ニューシス

「厳しい報復」を誓ったイランの攻撃力が鈍化している。13日(現地時間)のイスラエルの奇襲攻撃以降、一週間にわたって交戦が続いているが、イランの唯一の攻撃手段である中・長距離弾道ミサイルの発射数は減少傾向にある。制空権を掌握したイスラエルがミサイルを事前に破壊していることが原因とみられている。

18日、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、イランはイスラエルの最初の攻撃を受けた直後の13~14日に計4回にわたり200発のミサイルを発射した。しかし、翌日には半減の105発、17日には30発の発射にとどまった。

引用:YouTube

これに関連して、イランの空域を制圧したイスラエルが先制的に発射台などイランのミサイルインフラに攻撃を加えたためとの見方が出ている。イスラエル軍は「イランが保有するミサイル発射台の約3分の1に当たる120基を破壊することに成功した」と明らかにした。また、16日には「首都テヘラン周辺の制空権を確保した」と発表。17~18日の夜間にも戦闘機25機を動員し、イラン西部で発射準備中だったエマド中距離弾道ミサイルの発射台を破壊した。

米国家安全保障ユダヤ人研究所(JINSA)の首席研究員、ファルジン・ナディミ氏は「イランは実際、反撃初日に400発以上のミサイルでイスラエルの防空網を無力化しようとした」とし、「イスラエルが早期にイランの防空システムを撃破したため、この計画が頓挫した」と述べた。ミサイル発射準備時間も問題だ。英国際戦略研究所(IISS)の研究員、ファビアン・ヒンズ氏は「イランは中・長距離ミサイルの推進力を旧式の液体燃料に依存しており、燃料充填に2時間以上かかる」と指摘した。このように時間のかかる発射準備の間に、イスラエルが空襲を行っているのだ。

イランにとってミサイルの枯渇も懸念材料だ。イスラエルの情報当局者は、イランが保有する準中距離弾道ミサイル(MRBM・射程1,000~2,500km)が2,000発前後と推定している。しかし、米シンクタンク民主主義防衛財団の上級研究員、ベナム・ベン・タレブル氏はCNNに「イランに残っている在庫は多くて1,300発程度かもしれない」と述べた。イランは昨年4月と10月に300発、今回の交戦で約400発のMRBMをすでに使用したとみられるためだ。

短期間でミサイル生産量を増やすことも困難だ。WSJは「イスラエルがイランの空域を制圧しているということは、発射台だけでなくミサイルの貯蔵庫や生産施設も攻撃対象になっていることを意味する」と報じた。

イランのミサイル攻撃規模が縮小することで、イスラエルの防空網の迎撃成功率も上昇している。安全が確保されたと判断したイスラエル軍は、この日、自国領土に適用される警戒態勢のレベルを「必須活動のみ許可」から「制限付き活動許可」などに緩和した。13日から閉鎖されていたイスラエルの空域もこの日から航空機の運航が再開。キプロスから出発したエル・アル航空の旅客機がこの日午前、テルアビブのベン・グリオン国際空港に着陸した。

イスラエルも長期戦は困難

引用:ニューシス

しかし、イランの反撃能力が消失したと早急に判断するのは時期尚早だとの指摘もある。イラン国内の武器庫の半数程度が無傷で残っており、地下などに隠匿されたミサイルの数を推測することは困難だからだ。

イスラエルが防空網を長期間維持することが難しい点も変数となる。イスラエルは低高度防空網のアイアンドーム、弾道ミサイル防御用のパトリオット防空システム、高高度弾道ミサイル迎撃システムのアロー(Arrow)など多層防空網を構築している。これらの運用費用は1日当たり10億シェケル(約416億円)に達するとされる。ワシントン・ポスト(WP)は「米国とイスラエルの情報機関は、米国の補給なしでイランが攻撃を続ける場合、イスラエルのミサイル防衛維持期間は10~12日程度と見ている」と報じた。

バンカーバスター、フォルドウ攻撃は可能か

引用:YouTube

イスラエルがイランの核能力無力化の最終目標とするフォルドウ核施設が破壊される可能性にも注目が集まっている。深い山岳地帯の堅固な地下岩盤に建設されたフォルドウは、米軍が保有する超強力バンカーバスター「GBU-57」程度でなければ攻撃できないと評価されている。

ドナルド・トランプ米大統領がこのカードを検討しているとされるが、破壊は容易ではないとの見方も出ている。イランは地震被害が頻発するため、高度なコンクリート設計技術を有しているからだ。

GBU-57は圧縮強度5,000PSIのコンクリートを60m貫通するとされる。これに関連し、エコノミスト誌は「イランは近年、超高性能コンクリート(UHPC)分野で技術革新を遂げ、3万PSI以上の強度を持つコンクリートを生産している」と指摘。「(米国の攻撃成功の鍵は)イランがフォルドウ地域の核施設をどれほど厚いコンクリートで設計したか、そしてバンカーバスターがどの程度改良されたかにある」と分析した。さらに、ウクライナ戦争で見られたように電子戦で米国の衛星測位システム(GPS)を妨害された場合、精密な攻撃が困難になる可能性もある。

GBU-57の使用に不可欠とされる米空軍のB-2ステルス爆撃機なしでも、イスラエルが独自に爆弾を投下できるとの予測も出ている。米軍事専門メディアTWZは「イランの防空網が無力化された状況では、B-2のステルス機能はさほど必要ない」とし、「(理論上は)イスラエルのC-130輸送機にGBU-57を搭載して投下することも可能だ」と伝えた。

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