
北朝鮮とロシアの間で新たに建設中の図們江大橋のロシア側に大規模な出入国管理所が設置される予定だと、米国の北朝鮮専門メディア「NKニュース」が19日(現地時間)に報じた。
NKニュースは、ロシアの国境施設管理機関である「ロスグランストロイ(Rosgranstroy)」が公示した入札内容に基づき、ロシアの出入国管理所建設に約4,000万ドル(約58億1,502万円)が投入されると伝えた。NKニュースは、この施設には200万ドル(約2億9,080万円)が配分された犬舎と、7万ドル(約1,017万8,364円)が配分されたトイレなどが含まれており、建設過程でリベートなどの不正が介在する恐れがあると指摘した。
ロスグランストロイは、11日に27日を締切とする入札を公告した。北朝鮮とロシアは4月末、図們江を渡る車両用橋の建設に着工し、総額1億1,500万ドル(約167億2,160万円)を投じて来年半ばに完成させる計画だ。ロシアの出入国施設はこの橋のロシア側の端に設置される。
ロスグランストロイの入札公告によると、出入国施設の本館建設に1,710万ドル(約24億8,608万円)、「サービス及び運営」建物と貨物検査施設にそれぞれ600万ドル(約8億7,231万円)、車庫に200万ドル(約2億9,077万円)が配分されているという。入札文書には、1710万ドル(約24億8,250万1,905円)規模の本館、それぞれ約600万ドル(約8億7,105万3,300円)の「サービス及び運営」建物と貨物検査施設、そして200万ドル(約2億9,035万1,100円)の車庫も含まれていると記載されている。
ロスグランストロイは大半の工事を今年末までに完了させることを目指しており、旅客手荷物検査場と車庫は来年半ばの完成を目標としている。施設敷地には国境警備隊と税関職員が使用する犬舎が設置され、貨物車両及び物品の「精密検査区域」には580万ドル(約8億4,306万円)が配分されている。そのほか、衛生及び検疫所、トイレ5か所、運転手の待機区域などは2027年の春までに完成予定だ。
韓国・東西大学のロシア研究員は、ロシアの出入国施設建設費が膨らまされているのは軍事目的、北朝鮮への資金支援、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記側近らのリベート要求など「別の形の取引を隠蔽するためである可能性がある」と指摘した。
一方、進入路を含む総延長4.7kmに及ぶ北朝鮮とロシア間の橋は、本体幅7m、長さ1kmで、ロシアが424m、北朝鮮が581mを建設することになっている。橋は来年6月に完成予定で、北朝鮮とロシアの「包括的戦略的パートナーシップ協定」を締結したロシアのウラジーミル・プーチン大統領と金正恩総書記の平壌首脳会談から2周年を記念することになる。
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