
アフリカのコンゴ民主共和国(DRC)は21日(現地時間)、コバルト輸出の一時停止期間を今後3カ月間延長すると発表した。国内および国際市場でコバルトの在庫量が依然として高水準にあることを理由とした。今回の措置は、2月に発表された4カ月間の輸出停止に続くものとなる。
輸出禁止期間の延長は、コンゴ民主共和国の戦略的鉱物市場規制監督機関(ARECOMS)が発表した。ARECOMSは、同国の重要鉱物や原石の取引を管理する政府機関であり、2019年に設立された。コルタン(コロンバイト・タンタル石)、コバルト、ゲルマニウムなどの戦略的鉱物の生産と取引を監督している。また、小規模鉱山業者による採掘を規制し、国際的なマネーロンダリング防止およびテロ資金供与防止規則の遵守状況を監督している。
コンゴ民主共和国の政府公式発表によれば、今回の輸出禁止延長は、工業的、半工業的、小規模、個人の零細業者によるすべての形態のコバルト採掘事業に適用され、政府が署名した6月21日から即時に効力を発揮するという。ARECOMSは、今後の鉱物輸出に関する新たな決定について、内容の修正、期限の延長、あるいは禁止措置の解除を含め、市場状況に応じてこの延長期間の終了時に正式に発表すると述べた。
ロンドンに本社を置くデータ分析企業グローバルデータ(GlobalData)によれば、コンゴのコバルト生産量は2024年に244キロトン(1キロトンは1,000トン)に達する見通しだ。コンゴは世界最大のコバルト生産国であり、世界全体の80%以上を占めている。コバルトは各種電気産業の重要原料として使用され、特に電気自動車やスマートフォンなどの電子製品向け充電式バッテリーの生産に不可欠とされる。