
米国がイランの核施設3カ所を空爆した件で、複数の米メディアが「被害は限定的だった」と報じたことに対し、ドナルド・トランプ米大統領が激しい怒りを露わにした。米国防情報局(DIA)の内部文書に基づいたというこれらの報道をめぐり、大統領は「フェイクニュース」と断じ、報道機関を名指しで非難した。
25日、トランプ大統領はオランダ・ハーグで開催されたNATO首脳会議の閉幕に合わせて記者会見を行い、『CNN』、『ニューヨーク・タイムズ(NYT)』、『MSNBC』といったリベラル系メディアに対し、「国を損なう存在」とまで言い切った。特にCNNとNYTに関しては、「イランの核開発は数カ月遅れただけ」とする報道に強く反発し、記者の人格まで攻撃する発言を繰り出した。
トランプ大統領は「イラン空爆に参加したミズーリ州のパイロットたちと連絡を取ったが、彼らは今、深く絶望している。普通のアメリカ国民には、自称ジャーナリストどもが書き散らかすネガティブな記事の意味が理解できない」と吐き捨てた。そして「あんなのはscum(クズ)だ」とまで言い放った。
その場に同席していたヘグセス国防長官も、「フェイクニュースと呼ばれるのには理由がある」と強く同調。報道の内容が現実を歪めていると主張した。
さらにトランプ大統領は、「我々が爆撃機で核施設を攻撃した時点で戦争は終わった。イランは再び核兵器を持つことなどできない」と断言し、「核関連施設は完全に破壊された」と繰り返した。
帰国の途上でも怒りは収まらず、自身のSNS『トゥルース・ソーシャル』に投稿を連投。CNNのナターシャ・バートランド記者を実名で非難し、「あの女はCNNから即刻クビになるべきだ」「犬のように現場から追い出されるべきだ」と攻撃した。
NYTに対しても記者名を伏せたまま「中身はひどく偏っており、病的なレベル」と断じた。ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官も、「DIAの機密文書漏洩についてFBIが正式に捜査に乗り出した」と明かし、「情報を外部に流出させた者には厳罰が必要」と語った。
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