米連邦住宅金融庁、国策機関に暗号資産の組み入れを指示
暗号資産を住宅ローン審査対象に

米連邦住宅金融庁(FHFA)が住宅ローン申請時にビットコインなどの暗号資産を審査対象の資産に含めるよう公式に指示した。
25日(現地時間)、シー・エヌ・ビー・シーの報道によると、FHFAのビル・プルト長官はX(旧ツイッター)で「住宅金融公社および連邦住宅貸付抵当公社に対し、暗号資産をモーゲージ審査資産として認める準備を指示した」と明らかにした。
さらに「米国を世界の暗号資産中心地にするというドナルド・トランプ大統領のビジョンに沿うものだ」と付け加えた。
そのうえで「信用は十分あるものの、従来の基準では融資の対象外とされてきた人々にも、住宅取得の機会を提供できるようになる」と強調した。今回の措置は、米国の住宅ローン審査に暗号資産が本格的に導入される初の事例となる。
ただし、すべての暗号資産が一律に認められるわけではない。米国内で規制を受ける中央集権型取引所(CEX)に保管され、所有権が明確に証明できる暗号資産のみが対象となる。
また、住宅金融公社と連邦住宅貸付抵当公社は暗号資産の価格変動性などのリスクを反映した独自の審査基準を設ける必要があり、最終実施前には理事会とFHFAの承認を得ることが求められる。
暗号資産がモーゲージ資産として認められれば、融資申請者は保有する暗号資産をドルに換金せずとも、政府保証付きの融資資格を得られるようになる。
これまで暗号資産は、高い価格変動性や規制の不確実性、資産検証の困難さなどから融資審査の対象外とされてきた。しかし最近、米国内での暗号資産に対する認識が変化し、制度化の議論が本格化する中で状況が変わりつつある。
一方、トランプ大統領は先月、住宅金融公社と連邦住宅貸付抵当公社の政府管理体制を終了し、両社を株式市場に上場させる計画を明らかにしている。両機関は、米国全体の住宅ローンの半分以上を保証しており、2008年のサブプライム住宅ローン危機で巨額の損失を被った後、米政府の監督下で運営されている。
一部では、このようなトランプ大統領の決定が、今後の住宅ローン金利の上昇につながるのではないかという懸念が示されている。両機関は融資機関からモーゲージを買い取り、投資家に再販売する仕組みだが、政府の支払い保証がなくなれば、融資機関がリスクを反映してより高い金利を要求する可能性が高いためだ。
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