
ドナルド・トランプ米大統領は4日(現地時間)、大型減税法案「一つの大きくて美しい法案(OBBBA)」に署名し、減税、国防強化、移民管理、財政政策の再編といった主要政策の実行を正式に宣言した。
独立記念日当日の午後、ホワイトハウス南庭で行われた署名式で、トランプ大統領はOBBBAの署名と同時に法の施行を発表した。この法案は、米国の経済・国防・福祉・税制にわたる幅広い政策を網羅したもので、トランプ大統領の政権2期目の公約を集約した核心的な法律と評価されている。
トランプ大統領はホワイトハウスのバルコニーでの演説で、「今回の減税措置は歴史上最も強力なものであり、これを恒久化した」と述べ、「この法案の施行により、米国経済はロケットのように急上昇するだろう」と強調した。
さらに「1年後、建国250周年を迎える時点で、我々は裕福な中間層、強固な国境、世界最強の軍隊を備えた国家として再び立ち上がるだろう」と語った。
OBBBAは5月22日に下院で賛成215、反対214の僅差で可決され、上院では賛否同数の50対50となったが、JD・バンス副大統領の決定票により可決した。その後、下院での再議決を経て最終的に成立した。
法案には、2017年のトランプ政権1期目に導入された大規模な減税措置の恒久化が含まれている。チップや残業手当に対する非課税条項も新設され、全体の減税規模は約4兆5,000億ドル(約651兆8,600億2,000万円)に上る見込みだという。
また、国境の壁の建設費や不法移民収容施設の拡充といった移民管理強化策に加え、敵対国からのミサイル脅威に対応する「ゴールデンドーム」ミサイル防衛システムの構築を含め、国防予算も大幅に増額された。
財政面では、連邦政府の債務上限が5兆ドル(約724兆3,281億1,000万円)まで引き上げられたほか、新生児の出生時に1,000ドル(約14万4,872円)の預金口座を自動開設する条項も盛り込まれた。
一方で、大規模減税による税収減少を補うため、支出調整も実施された。バイデン政権の象徴的な環境政策であるクリーンエネルギーや電気自動車購入への税額控除は廃止され、低所得者向けの医療支援「メディケイド(公的医療補助)」や食料支援制度「フードスタンプ(食料品支援)」の予算も削減された。
署名式には上下両院の共和党議員全員が招待され、米空軍の戦略爆撃機B-2がホワイトハウス上空を低空飛行し、軍事力をアピールする場面もあったという。
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