暗号資産XRP(リップル)が、再び上昇局面に入る可能性があるとの見方が広がっている。

暗号資産専門メディア『コインゲイプ』などによると、複数のテクニカル指標と市場の需給状況が重なり、XRP価格が2.60ドル(約382円)まで上昇する可能性が示唆されている。
その根拠としては、上昇三角形パターンの形成、デリバティブ市場における未決済建玉の増加、大口投資家(いわゆる「クジラ」)による買い集め、ステーブルコイン「RLUSD」の拡大などが挙げられる。
XRPは先週末に上昇傾向を見せ、8日午後9時30分(日本時間)時点では、前日比0.81%高の2.239ドル(約329円)で推移している。
テクニカル分析によれば、XRP価格は現在、上昇三角形パターン内で推移しており、これは強い買い圧力が入ると上方ブレイクする可能性を示唆するものとされる。
特に、抵抗線とされる2.29ドル(約337円)を明確に突破し、それを支持線として再確認した場合、XRPは約15.31%上昇し、2.64ドル(約388円)に達する可能性があると見られている。
実際、相対力指数(RSI)は50を上回っており、平均方向性指数(ADX)も上昇基調にある。これは買いの勢いが着実に強まっていることを示すシグナルとされる。
市場全体でも、XRPへの投機的関心が高まりつつある。未決済建玉は5月以来初めて50億ドル(約7,354億円)を突破し、わずか2週間で約15億ドル(約2,206億円)が新たに流入した。ロングポジションが優勢であることを示す資金調達率(ファンディングレート)もプラスで推移しており、市場は上昇に賭ける動きを見せている。
こうした流れは、リップル社のCEOブラッド・ガーリングハウス氏が米国議会で「CLARITY法案(クラリティ・アクト)」に関して証言を控えているという政治的背景とも無関係ではない。
この法案は、米国の暗号資産業界における規制の明確化を目的としており、その証言がXRP価格にポジティブな影響を与える可能性があると見られている。
大口投資家の動向も注目されている。最近では、1億〜10億XRPを保有するアドレスの総保有量が76億から85億9,000万に増加。また、10万〜100万XRPを保有する中規模アドレスも、過去2週間で3,000万XRPを追加購入したことが明らかになった。これらの動きは、投資家が「買い集め」フェーズにあることを示唆している。
さらに、リップル社が最近申請した銀行免許取得も、XRPに対する市場の期待感を高める要因となった。認可が下りれば、価格のさらなる上昇モメンタムが得られるとの声もある。
加えて、ステーブルコイン「RLUSD」の成長も注目されている。最新の分析によると、RLUSDは年初から時価総額ベースで約800%増加しており、近く10億ドル(約1,470億円)に達する見通しだ。この急成長は、XRPの需要増加にもつながる可能性があるとされている。
このように、テクニカルパターンの構築、デリバティブ市場の活性化、規制環境の変化、大口資金の流入といった複数の要因が重なり、XRPが近く2.60ドル(約382円)を突破するとの観測に市場は注目している。
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