
エヌビディアのCEO、ジェンソン・ホアンがまもなく中国を訪問する見通しだ。現地メディアによれば、ホアン氏は北京で開催される中国国際サプライチェーン促進博覧会に出席し、李強首相や何立峰副首相ら中国政府高官との会談を予定している。
訪問は未確定で、現在は中国側の最終承認を待っている段階だ。
今回の動きは、米国の輸出規制により制限された中国事業を再構築しようとするエヌビディアの意志の表れと受け取られている。同社は中国向けに、ブラックウェル RTX Pro 6000チップをベースとした性能縮小版AIチップを開発。高帯域幅メモリやNVリンクといった先進機能を外した構成で、規制に準拠した新製品として9月に発表される見通しだ。
エヌビディアは「中国は世界で最も多くの開発者を擁する国の一つ」と位置づけており、巨大市場の維持に強い意欲を見せている。一方で、新型チップの詳細設計についてはコメントを控えている。
同社はまた、「セキュリティは最優先だが、すべてのAIアプリケーションは米国のAIスタック上で最適に機能すべきだ」と強調。技術主導の姿勢を貫く構えだ。
2025年第1四半期、エヌビディアは中国向けAIチップ販売が規制された影響で、25億ドル(約3,675億円)の売上損失を計上。また、中国専用H20チップの出荷停止により、45億ドル(約6,613億円)の過剰在庫コストが発生し、財務戦略の見直しを余儀なくされた。
それでも、同社の時価総額は一時4兆ドル(約588兆円)を突破。年初来で株価は17.76%上昇し、過去12カ月では20.73%の伸びを記録。10日の終値は0.75%高の164.10ドル(約2万4,118円)で取引を終えた。
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