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2025年07月11日金曜日
ホームニュース「火の海」と化した南欧…仏・西で1万ヘクタールが焼失、専門家「気候変動との関連は明白」

「火の海」と化した南欧…仏・西で1万ヘクタールが焼失、専門家「気候変動との関連は明白」

引用:ニューシス
引用:ニューシス

ヨーロッパ各地が記録的な猛暑に見舞われる中、乾燥した気候が引き金となり、フランスとスペインで相次いで大規模な山火事が発生した。広範囲にわたる延焼により、住民は避難や屋内退避を余儀なくされている。

9日(現地時間)、『ル・モンド』や『ガーディアン』などは、フランス南部ブーシュ=デュ=ローヌ県のレ・ペンヌ=ミラボーで大規模な山火事が発生したと報じた。火はマルセイユにまで達し、マルセイユ空港の発着便およびパリ〜マルセイユ間の鉄道はすべて運休となった。

フランス気象庁はヴァール県、ブーシュ=デュ=ローヌ県、ヴォクリューズ県の3県に最高レベルの警報を発令。市民に対し、特別な指示がない限り外出を控え、屋内にとどまるよう呼びかけている。今回の火災ではすでに750ヘクタールの土地が焼失し、住宅70棟以上が被害を受けた。700人超の消防士と220台の緊急車両、さらに航空機やヘリも動員され、消火活動が続いている。

フランスでは、これに先立ちオード県でも森林2,000ヘクタールを焼く山火事が発生。約4,000人の住民が避難を余儀なくされた。

スペインでも、同様に山火事による被害が深刻化している。カタルーニャ州タラゴナ近郊では6,000ヘクタールを超える森林が焼失。煙の拡散が懸念され、周辺の12の村では計1万8,000人以上の住民に屋内退避命令が出された。

気候分析機関「ディープ・スカイ・リサーチ」の科学者マックス・デューガン・ナイト氏は「山火事と気候変動の関連性は明白」と述べ、「フランスやスペインでは乾いた熱風が多く、小さな火種でも瞬く間に広がる」と指摘した。彼はまた「今年1月にロサンゼルスで強風による大規模火災が起きたが、同じ現象が今ヨーロッパでも起きている」と続けた。

欧州経済領域(EEA)も「抜本的な気候対策が講じられなければ、今後も多数の死者が発生しうる」と警告。さらに「最悪の温暖化シナリオでは、洪水による年間経済損失が1兆ユーロ(約172兆円)を超える」との研究結果も公表しており、気候危機の深刻さが改めて浮き彫りとなっている。

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