中国戦闘機が自衛隊機に異常接近…30メートルまで接触寸前

中国が再び日本領空を刺激する行動に出た。防衛省は10日、東シナ海の上空で中国の戦闘機が航空自衛隊機に異例の接近飛行を行ったと発表した。
発表によると、中国のJH-7戦闘爆撃機は9日と10日、情報収集任務中だった航空自衛隊のYS-11EB機に接近。9日は水平方向で約30メートル、垂直方向で約60メートル、10日には水平方向で約60メートル、垂直方向で約30メートルというきわめて危険な距離にまで近づいた。飛行時間は9日が15分間、10日は10分間に及んだという。
こうした接近飛行は初めてではない。先月7日と8日にも、中国空母「山東」を監視していた海上自衛隊のP-3C哨戒機に対し、山東艦に搭載されたJ-15戦闘機が異常接近。高度差のないまま約45メートルの距離で追尾し、さらに哨戒機の前方約900メートルを遮るように飛行する場面も確認されている。
防衛省はこれらの行動について「偶発的な衝突のリスクがある」として中国に再発防止を強く要請。外務省の船越健裕事務次官も駐日中国大使に深刻な懸念を伝えた。しかし中国外交部は、「日本の軍艦や軍用機が中国の正常な軍事活動に対し接近偵察していることが、リスクの原因だ」と反論し、責任を日本側に転嫁した。
中国側は今回の軍事行動も「国際法や国際慣例に準拠している」と主張しているが、わずか1カ月のうちに再発した接近飛行に対し、政府の警戒感は一層強まっている。

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