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2025年07月15日火曜日
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【脅し外交、ここに極まる】トランプ35%関税でカナダを制裁、米加関係と世界経済を壊す

ドナルド・トランプ米大統領は10日(現地時間)、カナダに対し35%の追加関税を課すと通告した。麻薬「フェンタニル」の米国流入を阻止できなかったことを理由とした。

今回の措置は、米国が大半の貿易相手国に一律10%前後の関税を課している現行制度とは別に発動されたもので、カナダに対する懲罰的性格を帯びた対応とされる。北米域内の通商摩擦が再燃する様相を呈している。

トランプ大統領は同日、カナダのマーク・カーニー首相宛ての書簡を通じて、8月1日からカナダ産輸入品全体に35%の関税を適用すると通告した。書簡は自身のソーシャルメディアで公開された。

書簡では、今回の関税が従来の関税とは完全に別枠で適用されると明記されている。また、カナダが報復関税を発動した場合、「カナダ側が設定する税率が、米国の35%に上乗せされる」と警告した。

さらに、トランプ大統領は、カナダが米国の酪農品に最大400%の関税を課していることや、慢性的な対加貿易赤字にも言及。一方で「カナダがフェンタニル流入の阻止に協力すれば、本措置の調整を検討する用意がある」と述べ、交渉の余地を残した。

引用:investing

今回の措置は、トランプ政権の「相互関税」政策の延長とされる。トランプ大統領は昨年4月、「解放の日(Liberation Day)」を宣言し、大半の貿易相手国に一律10%の関税を課し、貿易赤字の規模に応じて国別に追加関税を上乗せする方針を打ち出した。

カナダに対する35%の関税通告もこの方針の一環と位置づけられる。トランプ大統領はこれまで、「他国は米国に15%、20%、あるいはそれ以上の関税を支払うべきだ」と繰り返し主張しており、米国市場に参入する以上、対価を払うのが当然だという姿勢を鮮明にしている。

同氏はまた、貿易赤字の是正にとどまらず、フェンタニルの密輸や不法移民など非貿易分野の問題に対しても、関税を圧力手段として活用する姿勢を示している。

AP通信など海外メディアは、トランプ政権が多くの国に対し最低10%の基本関税を維持しつつ、交渉を通じて追加関税の税率を個別に調整してきたと報じている。

これに対し、カナダは強く反発するとみられる。マーク・カーニー首相は過去にトランプ氏の関税措置に対し「譲歩しない」と明言し、「米国に最大の打撃を与える報復措置を講じる」と警告した経緯がある。当時は「米国との関係は終わった」と述べ、対米依存の是正を訴えていた。

米国とカナダは世界最長の国境を接し、最大級の貿易相手国でもある。両国間で貿易摩擦が再燃すれば、北米のサプライチェーンに混乱が生じ、世界経済にも波及する可能性がある。

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