
北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長が、米国のトランプ大統領による対ロシア「セカンダリー制裁」に言及し、「中国、ブラジル、インドなどが深刻な影響を受ける恐れがある」と警鐘を鳴らした。
15日(現地時間)、ルッテ総長は訪米の最終日に記者団にこう語り、トランプ大統領が前日に発表した内容に対する懸念を示した。英紙『ガーディアン』などが報じている。
前日14日、ホワイトハウスでルッテ総長と会談したトランプ大統領は、ロシアに対して「50日以内に和平協議に応じなければ追加制裁を科す」と最後通告を提示。さらにウクライナには空域防衛システムや攻撃用ミサイル、弾薬を含む大規模な軍事支援を行う方針を明らかにした。
ルッテ総長は「まず、アメリカはウクライナに本格的な武器供与を行う。ただし、その費用は欧州が支払うことになる」と説明したうえで、次のように続けた。
「トランプ大統領はロシアが和平に真剣でなければ、インド、中国、ブラジルといった国々に二次制裁を発動すると警告した。これは極めて重大な措置であり、各国政府は深刻に受け止めるべきだ」
さらにルッテ総長は「プーチン大統領に直接電話して、『真剣に和平交渉へ臨むべきだ』と伝えてほしい」と強調。制裁回避のためにもロシアの姿勢転換を促した。
また、欧州側の対応としては、「和平協議の場において、ウクライナが有利な立場を得られるよう、欧州内で資金調達を進めていく」と明らかにした。
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