
中国海軍の空母2隻が先月、米空母打撃群の迎撃を想定した訓練を実施したと、読売新聞が複数の日本政府関係者の話として18日報じた。
報道によると、中国の空母「遼寧」と「山東」は6月7日から1週間、この訓練を行ったという。遼寧が米空母役を務め、山東がこれに対応する形をとった。遼寧は6月7日、日本の最東端の島である南鳥島付近の海域から西に向かい、第二列島線を越えて中国側へ進んだ。列島線は中国の海上防衛ラインで、第二列島線は小笠原諸島からグアム、サイパン、インドネシアを結ぶ線を指す。
読売新聞は「米空母は中国空母と遭遇した際、不測の事態を避けるため一定の距離を保って航行する運用規則があるとされ、遼寧もこの規則に従って行動した可能性が高い」と指摘した。さらに「(遼寧は)交戦前の米空母の動きを模倣したとみられる」と付け加えた。
政府は、中国軍が台湾有事の際の米軍接近阻止能力向上を目的に今回の訓練を実施したと分析している。読売新聞は、中国軍が第二列島線内での米軍の行動を阻止し、中国により近い第一列島線内への進入を防ぐ接近阻止・領域拒否(A2AD)戦略の採用を目指していると解説した。
これに先立ち、中国戦闘機が日本の哨戒機を異例の追尾飛行をしたのも、訓練情報収集を試みる日本側に圧力をかけ、監視を断念させる狙いがあった可能性を指摘した。この訓練について中国軍は「両編隊が偵察・早期警戒、防御・反撃、海上突撃などの科目訓練を実施し、遠海・大洋での体系的な対抗演習だった」と説明している。
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