労働党政権、法案提出へ… 「民主主義への信頼回復に寄与」

英国が投票年齢を現行の18歳から16歳に引き下げる方針を打ち出した。
英労働党政権は現地時間17日、2029年に実施される次期総選挙から16歳と17歳の若者にも選挙権を付与する法案を提出すると発表した。英下院では労働党が過半数の議席を占めている。
政府は「21世紀にふさわしい民主主義の現代化を目指すもので、長年にわたり我々の民主主義への信頼が損なわれてきた」と述べ、「投票年齢の引き下げは国民の政治参加を促進し、民主主義への信頼回復に寄与するだろう」と説明した。
現在、スコットランドとウェールズの議会選挙では16~17歳も選挙権を持つが、英国の総選挙では18歳以上のみが投票できる。法案が可決されれば、英国の投票年齢変更は1969年に21歳から18歳に引き下げられて以来、約50年ぶりとなる。
スターマー首相「納税者には意見を述べる権利がある」
英国の総人口6,800万人のうち、16~17歳の人口は約150万人だ。BBCによると、投票年齢が16歳または17歳以上の国には、アルゼンチン、オーストリア、ブラジル、キューバ、エクアドル、インドネシアなどがあるという。
前回の総選挙で投票年齢引き下げを公約したキア・スターマー首相は「16~17歳は学校を離れて働くことができ、税金も納め、軍にも入隊できる年齢だ。納税している以上、その使途について意見を述べる権利がある」と主張した。
ガーディアンは「世論調査によると英国の若年層の有権者は左派寄りの傾向を示してきた」とし、「スターマー首相は中道左派の労働党が恩恵を受けることを期待しているのだろう」と分析した。
一方、最大野党・保守党のポール・ホームズ議員は「なぜこの政権は16歳の若者に投票を認めながら、宝くじの購入や飲酒、結婚、従軍、さらには選挙への立候補さえ許可しないのか」と批判した。
さらに「(投票年齢引き下げは)労働党が野党と十分な協議なしに大規模な憲法改正を強行しようとする厚かましい試みだ」と非難した。
これに対しアンジェラ・レイナー副首相は「特定政党の票の操作ではなく、民主主義のためであり、若者に意見表明の機会を与えるものだ」とし、「より多くの人々が民主主義に参加する機会を提供するため、障壁を取り除こうとしている」と反論した。
英国の若者は左寄り?「極右支持率も上昇」
スカイニュースによると、昨年5月のモア・イン・コモンの世論調査では、47%が投票年齢の16歳への引き下げに反対し、賛成は28%にとどまった。特に、75歳以上の回答者の賛成率は10%に過ぎない一方、18~26歳では49%が賛成した。
また「極右ポピュリスト政党である改革党を支持する若者も増加している」とし、「若者の極右政党支持率の上昇は他の欧州諸国でも同様の傾向が見られる」と伝えた。
一方、英国政府は外国勢力の政治介入を防ぐため、外国からの寄付に関する法律を強化する方針も発表した。
法案によれば、法人登録されていない団体が500ポンド(約9万9,798円)以上を英国の政党に寄付する場合、これを義務的に調査しなければならない。外国の寄付者がペーパーカンパニーを通じて英国の政治や選挙に影響を与えることを防ぐためである。
BBCは「この問題は昨年末、米国の大富豪イーロン・マスク氏が所有するソーシャルメディアXの英国支社を通じて改革党に寄付するという報道が出たことで表面化した」と伝えた。
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