
ドナルド・トランプ米大統領が、激しく対立していたテスラのイーロン・マスクCEOに対して、突如として融和的なメッセージを発信した。
舞台は自身が運営するSNS「トゥルース・ソーシャル」。24日(現地時間)、トランプ大統領は「私が政府補助金を削減してマスクの会社を潰すという話はデマだ」と投稿し、「マスク氏をはじめ、すべての米企業がかつてないほど繁栄してほしい」と強調した。
両者はこれまで、電気自動車(EV)への税額控除を段階的に撤廃する法案「One Big Beautiful Bill(OBBBA)」をめぐり真っ向から衝突していた。
トランプ大統領は今月1日、「マスクは史上最多の補助金を受け取っている可能性がある。補助金がなければ南アフリカに帰るしかない」と強烈に批判。これに対し、マスク氏は「今すぐすべて削減しろ、本気で言っている」と真っ向から反論した経緯がある。
さらに、24日に発表されたテスラの第2四半期決算では「今後数四半期は厳しい局面が続く」とマスク氏がコメントし、状況の深刻さが浮き彫りになった。
そんな中、トランプ大統領の突然の軟化姿勢について、一部では「あるスキャンダル」が影を落としているという見方もある。
その「影」とは、米富豪ジェフリー・エプスタインをめぐる極秘ファイルの存在だ。マスク氏は先月、「トランプの名前はエプスタインのファイルに載っている。それが公開されない理由だ」と爆弾発言。さらに、『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』は、そのファイル内にトランプ大統領の名前が複数回登場すると報じている。
米メディア『AL.com』は「トランプの投稿はマスクに向けた無言のメッセージ。黙っていれば補助金は継続されるという合図だ」と分析している。
和解に見える裏で何が進行しているのか。米政財界の深層に注目が集まっている。
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