
フランスに続き、イギリスもパレスチナ国家の承認を検討していることが明らかになった。キア・スターマー英首相は、イスラエルがガザ地区の戦争終結に向けた実質的な措置を講じず、和平プロセスを継続的に約束しない場合、イギリス政府として9月の国連総会より前にパレスチナを国家として承認する可能性があると表明した。
29日、アラブ系メディア『アルジャジーラ』の報道によれば、同日行われた緊急閣議の後に発表された声明で、イギリス政府はイスラエルに対し、停戦への同意、占領中のヨルダン川西岸地区の併合計画の中止、そして二国家解決案の支持を明確に求めた。いずれの条件も満たさない場合、国家承認へと踏み切ることを示唆した格好だ。
一方でスターマー首相は、ハマスに対しても厳しい姿勢を取っており、人質の全面解放、停戦合意への署名、ガザでの統治からの撤退、武装解除の受け入れを要求した。
アルジャジーラは、イギリス政府がこれまでパレスチナの国家的地位を支持する発言をしてきたものの、承認に具体的な時期や前提条件を伴わせたのは今回が初めてだと指摘している。
こうした動きに対し、イスラエルは強く反発。今回の声明はハマスへの「報酬」にあたり、外交努力を損なう危険があると主張し、イギリス政府を強く非難した。
なお、フランスのエマニュエル・マクロン大統領はすでに、9月の国連総会ハイレベル・ウィークにおいてパレスチナを国家として公式に承認する方針を明らかにしている。現在、193の国連加盟国のうち147カ国がパレスチナを国家として承認しており、昨年はスペイン、アイルランド、ノルウェー、スロベニアが新たに加わった。これに対し、ドイツやイタリアは依然として否定的な立場を取っている。
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