34.8 C
Tokyo
2025年08月04日月曜日
ホームニュース「口を慎め、失敗した元ロシア大統領」トランプとメドベージェフが再び応酬…実は“共生関係”の一面も?

「口を慎め、失敗した元ロシア大統領」トランプとメドベージェフが再び応酬…実は“共生関係”の一面も?

引用:ニューシス
引用:ニューシス

ドナルド・トランプ米大統領とロシア国家安全保障会議のドミトリー・メドベージェフ副議長が、再びSNS上で激しく応酬した。

トランプ大統領は30日深夜、メドベージェフを「失敗した元ロシア大統領」と非難し、「口を慎むべきだ」と警告する投稿を行った。これに対してメドベージェフはわずか数時間後、米人気ドラマ「ウォーキング・デッド」を引き合いに出しながら、旧ソ連の自動核報復システムについて言及した。さらに「ロシアは常に正しく、自らの道を進む」と主張した。

この舌戦は今夏に入って2度目となる。米紙『ニューヨーク・タイムズ』は、こうした挑発的なやり取りが公開の場で行われるのは異例であり、かつ両者の政治的地位に大きな差があることにも注目すべきだと伝えた。世界最強の軍を指揮するトランプ大統領に対し、メドベージェフはプーチン大統領の側近から外され、現在はSNSを通じた「代弁者」のような立場にある。

核威嚇を繰り返すロシアと、辛辣な発言を辞さないトランプ大統領。この両者の組み合わせは、まさに火薬庫に火花が落ちたような危険な状況を生み出している。米ワシントン・カトリック大学のマイケル・キマジ教授も「外交メッセージは極めて慎重かつ抑制的であるべきだ」と警鐘を鳴らした。

ロシアはウクライナ侵攻の初期に核の脅しでアメリカの支援を抑え込もうとした経緯がある。その後、トランプ大統領が再選を果たすと、プーチン大統領は核威嚇を控えるようになった。トランプ大統領の親ロシア的傾向を利用しようとする意図があったとみられる。

しかし最近では、トランプ大統領がプーチン大統領に対して失望感を示し始め、ロシア側の言動にも変化が見え始めた。プーチン大統領やペスコフ報道官が沈黙を保つ一方で、メドベージェフは過激な発言を繰り返している。

メドベージェフは28日、トランプ大統領が10日以内に対ロ制裁を発動する可能性に言及した直後、X(旧Twitter)で「すべての最後通告は脅しであり、戦争への一歩だ」と投稿した。また、トランプ大統領が選挙中にジョー・バイデン前大統領を「第三次世界大戦を招く危険人物」として非難していたことを引き合いに出し、「スリーピー・ジョーの道を歩むな」と牽制した。

グレゴリー・ゴロソフ教授は、両者の関係はある種の「共生関係」だと分析する。トランプ大統領にとってはメドベージェフを攻撃することで、プーチン大統領を直接批判せずに対ロ強硬姿勢をアピールできる利点があるという。教授は「トランプ大統領はロシアに強い態度を取りつつも、プーチン大統領とのパイプは維持したいと考えている」と語った。

メドベージェフはかつてプーチン大統領の忠実な側近であり、2012年に大統領職を譲った。しかし2020年の内閣改編で首相職を解かれ、現在は国家安全保障会議副議長という象徴的なポストにとどまっている。

2022年のウクライナ侵攻以降、メドベージェフはプーチン大統領やペスコフ以上に核戦争を匂わせる過激な発言を繰り返してきた。その背景には、プーチン大統領が直接手を汚さずに「穏健派」としてのイメージを保つという戦略が透けて見える。

関連記事

コメントを書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください