
イスラエル軍は3日、ガザ地区各地に対して砲撃と空爆を続け、少なくとも75人のパレスチナ人が死亡したと民間防衛隊が発表した。南部ハン・ユニスとラファ周辺では、米国の支援を受けた食糧救援センター付近で23人、避難所として使われていた学校で5人が死亡した。北部ではベイト・ラヒヤ近郊の検問所付近で救援物資を待っていた市民が無差別射撃を受け、18人が死亡、198人が負傷した。
中部ネツァリム国境回廊近くの配給所周辺でも、イスラエル軍の攻撃により7人が死亡し、27人が負傷したとされる。南部ハン・ユニスでは市内西部の建物が砲撃を受け、国際赤新月社連盟(IFRC)の救急隊員1人が死亡、さらに別の地域でも1人の救急隊員が殺害された。IFRCは、イスラエル軍が同連盟の本部を意図的に攻撃したと非難し、これは国際人道法の明確な違反にあたると主張した。
東部ガザ・シティでは、帰宅中の市民22人がイスラエル軍の爆撃により死亡し、その遺体が収容されたという。これら一連の攻撃に関し、イスラエル軍は現時点で公式なコメントを出していない。被害の全貌や標的の詳細も明らかになっておらず、民間人への被害が深刻さを増している。
ガザ地区のムニール・アル=バラシ保健省事務局長によれば、稼働中の病院はごくわずかであり、多数の負傷者が押し寄せて病院機能は限界に達しているという。手術室や病棟はすでに満床で、廊下にまでベッドが並べられている状況だとし、病院のベッド占有率は180〜300%に達していると述べた。医療スタッフは床で休み、患者はタイル張りの床で治療を受けており、混乱は病院の外にも及んでいる。
アル=バラシ氏は「これは医療崩壊ではなく、人道に対する犯罪だ」と強く訴えた。イスラエル軍が3月18日にガザ全域への大規模攻撃を再開して以来、これまでに少なくとも9,350人が死亡、3万7,547人が負傷したとガザ保健当局は明らかにしている。2023年10月の戦闘開始から現在までの累計では、死者は6万839人、負傷者は14万9,588人に達した。
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