
ポーランドが欧州における軍事大国として急浮上している。今後5年以内に、ドイツやフランス、イタリア、イギリスの4カ国を合わせた戦車保有数を上回るとの見通しが示された。ポーランドは主に韓国の防衛産業企業から各種兵器を導入し、軍備の強化を図っている。
今月4日、『ユーロニュース』などによると、ポーランドの主力戦車の保有数は2030年までに1,100台に達する見通しだ。最近、ポーランドと韓国は総額65億ドル(約9,560億円)規模の韓国製「K2戦車」第2次供給契約を締結した。この契約に基づき、2026年から2030年にかけてK2戦車180台がポーランド陸軍に引き渡される予定である。
この契約が予定通り履行されれば、ポーランドの戦車保有数は現在の614台から大幅に増加し、北大西洋条約機構(NATO)の主要加盟国であるドイツ、イギリス、フランス、イタリアの4カ国の合計(950台)を上回ることになる。NATO全体では、トルコ(2,238台)、ギリシャ(1,344台)に次ぐ3番目の規模となる。
ロシアのウクライナ侵攻は、ポーランドの軍備拡張の最大の要因とされている。ポーランド政府は、ウクライナと国境を接する東部戦線の防衛力強化を最優先課題に掲げており、2021年にベラルーシとの国境で発生した安全保障上の不安も軍事強化の一因となった。当時、ロシアの影響を受けたベラルーシが中東からの移民をポーランド国境に誘導したことを受け、ポーランド政府は非常事態を宣言した。
こうした情勢を受け、ポーランドは2023年の国防予算を国内総生産(GDP)比4%以上に引き上げ、NATO加盟国の中で最も高い国防費支出比率を記録した。来年には、GDP比5%への増額を目指している。また、ポーランド政府は昨年までに、東部国境の防護壁建設や要塞化に約25億ドル(約3,680億円)を投じた。
ポーランドが防衛力を急速に強化する中で、韓国は主要な防衛産業パートナーとしての地位を確立した。韓国は、米国に次ぐ規模でポーランドに兵器を供給しており、同国の防衛産業企業が持つ大量生産力と柔軟な技術移転戦略が高く評価された結果とみられている。
ポーランドは、現代ロテム製のK2戦車に加え、ハンファ製の「K9自走砲」や「K239チョンム多連装ロケット」、韓国航空宇宙産業(KAI)製の軽攻撃機「FA-50」なども導入している。こうした大規模な防衛契約により、韓国は昨年、世界第10位の防衛装備輸出国となった。韓国の防衛産業輸出に占めるポーランド向けの割合は40%を超えている。
ポーランドが今後も大規模な軍備拡張を継続すれば、NATO内での地位にも変化が生じるとの見方がある。すでに国防費や軍事力の面では西欧の主要国に匹敵するとの評価を受けており、NATO東部の最前線における軍事的中枢として存在感を強めている。ポーランドの発言力が高まる中、同国が東欧加盟国の「安全保障リーダー」としての役割を担うとの分析も出ている。
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