
アップルがChatGPTに類似した検索特化型の生成AI(人工知能)サービスを準備していることが明らかになった。3日(現地時間)、ブルームバーグがこの事実を報じた。このサービスは、アップルが今年初めに立ち上げた「Answers, Knowledge, and Information(AKI)」チームが担当する。まだ初期段階だが、AKIチームは現在、「Answer engine」というシステムを構築中だという。これは、ウェブ上で情報を探し、ユーザーの問い合わせに答える人工知能だ。
現在、アップルの公式ホームページでは、同チームの機械学習エンジニア募集が確認できる。職務内容によると、AKIチームはアップル・インテリジェンスや検索技術を開発し、Siri(音声アシスタント)、Safari(ウェブブラウザ)、Spotlight(統合検索機能)などの主要製品に実装することを目指している。
ブルームバーグによれば、AKIチームはSiriを開発したアップルのシニアディレクター、ロビー・ウォーカー氏が率いており、Siri開発チーム出身者が加わっているという。ウォーカー氏のLinkedInプロフィールによると、彼は今年4月からこのチームを率いているとされている。
アップルは以前、AI戦略として、ChatGPTのようなサービスを直接開発するのではなく、「アップル・インテリジェンス」の名のもとで、SiriにChatGPTを限定的に連携させる方針を示していた。校正や要約などの文章作成の支援、画像内の情報読み取り、通知の優先順位付けなど、機能の限定的な向上にとどまっていた。AIと名付けられてはいるものの、現在市場で広く使用されているAIサービスとは大きな隔たりがあった。
最近、アップルではAIモデルの開発を統括していたルオミン・パン氏を含むAI開発人材が、メタ・プラットフォームズのAI開発組織「メタ・ スーパーインテリジェンス・ラボ(MSL)」に移籍し話題になった。背景にはメタの破格の報酬提示もあるが、アップル・インテリジェンスの成果停滞も理由として挙げられる。
6月に開催されたアップルの新技術発表イベント「WWDC 2025」(年次開発者会議)以降、「アップルはますます後れを取っており、今後はソフトウェア企業というよりハードウェア企業に近づくだろう」という厳しい評価も出ており、アップルがAI開発分野で他社に遅れを取っているとの見方が広がっている。
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