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2025年08月06日水曜日
ホームニュース「6月だけで4倍増」米関税収入が爆伸び、止まらぬ“税収中毒”に政権交代でも歯止めかからず

「6月だけで4倍増」米関税収入が爆伸び、止まらぬ“税収中毒”に政権交代でも歯止めかからず

引用:フィナンシャル・ニュース 
引用:フィナンシャル・ニュース 

アメリカが政権交代を迎えたとしても、ドナルド・トランプ米大統領が進めた高関税政策は続く可能性が高いと見られている。

高関税による巨額の収入に「味を占めた」米連邦政府は、今後も「関税爆弾」政策を維持するとの指摘が出ている。

『ニューヨーク・タイムズ(NYT)』によると、今年1~7月にアメリカが得た関税収入は1,520億ドル(約22.4兆円)に達し、前年の倍に膨れ上がった。6月単月では、関税収入が4倍近く急増。専門家たちは、現行の関税を維持すれば今後10年で2兆ドル(約295兆円)超の追加収入が見込まれると指摘する。

問題はこの「関税中毒」が経済全体に負担を与えていることだ。関税は消費者物価に転嫁されるため、低所得層ほど打撃を受けやすい。それでも政治的には撤廃が難しいのが現実だ。

ペンシルベニア大学のジョアン・ゴメス教授は「これは中毒のようなもの。赤字まみれの中で収入源を手放すのは難しい」と語る。また、別の経済学者は「もし関税を撤廃すれば、その分を他の税金で穴埋めしなければならない」と懸念する。

実際、トランプ大統領は関税収入の一部を「国民への配当金」として再分配する構想を明かしている。共和党のジョシュ・ホーリー上院議員は、すべてのアメリカ人に600ドル(約8万8,000円)の「関税配当」を支給する法案まで提出した。

NYTは「新たな増税よりも、既存の関税を維持する方が政治的に楽だ」と分析。たとえ民主党が政権を奪還しても、社会福祉制度の資金源として関税収入を活用する可能性があると報じた。

一方で、アメリカ国内に工場を戻す動きが加速すれば、関税収入が減るリスクもある。さらに物価上昇が深刻化すれば、逆に関税を引き下げる議論が再燃する可能性もある。

現在トランプ大統領は、所得税を関税で代替する抜本的な税制改革を構想中だ。米国の主要税収である所得税や社会保険税を減らし、貿易を通じて税収を得る体制へのシフトを狙っている。

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