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2025年08月11日月曜日
ホームニュースポルトガル、猛暑と大規模山火事で災害警報を8月13日まで延長 被害は2022年以来最悪規模に

ポルトガル、猛暑と大規模山火事で災害警報を8月13日まで延長 被害は2022年以来最悪規模に

引用:ニューシス
引用:ニューシス

ポルトガル政府は7日、猛暑と数年ぶりの規模となる山火事の影響で、国家災害警報期間を8月13日まで延長すると発表した。数週間にわたり続いた山火事がピークを迎えており、被害は2022年以来最悪の水準に達している。

同政府は当初、8月2日に警報を発令し7日までとしていたが、マリア・ルシア・アマラル内務相は政府会議で「複数の発火地点で火勢が弱まるなど効果が見られた」としつつも、さらなる高温と乾燥が予想されるため延長を決定した。ポルトガル海洋気象庁(IPMA)は本土で気温が30〜38度、南部内陸やドウロ渓谷では9〜11日にかけて最高43度に達すると予測している。

警報延長に伴い、農村部では農作業や屋外活動が禁止され、森林での焚き火、機械使用、花火などのレジャーも制限される。これらの活動に関する事前許可もすべて効力を停止する。統合山火事制御システム(SGIFR)によれば、今年の山火事で失われた森林は約4万2,000ヘクタールに上り、前年同時期の8倍に達した。発生件数は1月1日以降で5,211件、被害面積は2022年以来で最大となった。

同政府は放火を含む火災関連犯罪の罰則強化を検討中で、2025〜2027年に被害状況を調査し優先的に捜査・起訴を進める方針だ。ルイス・モンテネグロ首相は昨年、中部地域で相次いだ大規模火災後に放火犯への無差別な厳罰を宣言しており、今年1〜7月の火災の14%が放火によるものと報告されている。

欧州連合(EU)は加盟国にEU消防隊の支援を提示したが、アマラル内務相は「他国も火災と闘っている」として国際支援は最後の手段にとどめる考えを示した。現在、国内では72機の消防航空機と約2,800人の消防士、900台超の消防車が投入されており、国防省はC-130輸送機に搭載する消火設備の追加輸入も承認した。

さらに同政府は、3月に初公表した2025〜2050年の山火事防止長期計画を再検討し、2025年に61件の短期対策、2028年以降に88件の中長期対策を実施する方針。主要火災地域ごとに常駐型消火拠点を設置する案も盛り込まれている。消防士連盟によれば、今年に入り消防士1人が死亡、148人が負傷。8月7日時点で66件の火災が続き、11機の消防航空機が消火活動にあたっている。

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