OpenAIは、GPT-5の性能低下論争に対し、技術的欠陥を認め、リアルタイムルーターの障害解決やGPT-4oの再利用検討など、改善策を約束した。
ユーザーの間で「GPT-4o」より性能が劣るとの批判が広がったことを受け、サム・アルトマンCEOが自ら問題解決を約束して動き出した。
8月9日、テッククランチは、アルトマンCEOとGPT-5開発チームが8日(現地時間)にオンライン・コミュニティ「Reddit」で「Ask Me Anything(AMA)」セッションを開催したと報じた。報道によると、アルトマンCEOと開発チームはこの場で新モデルの問題点を認め、今後の改善方針について具体的な立場を示した。

ユーザーが最も多く指摘した問題は、GPT-5が前モデルGPT-4oよりも著しく性能が劣る点であった。
OpenAIは、性能低下の原因について、ユーザーの質問タイプに応じて最適なモデルを自動的に選んで応答する「GPT-5」の中核機能であるリアルタイムルーターの不具合によるものだと説明した。
OpenAIの対応と改善約束
アルトマンCEOは、ルーターの自動切替機能の障害が当日中に解決され、これによってGPT-5の性能が正常化すると約束した。また、今後はどのモデルがユーザーの質問に回答したかを明確に示すなど、透明性を強化する計画も明らかにした。
OpenAIは、有料サブスクリプションサービス「Plus」ユーザーへの具体的な補償策も提示した。
ユーザーの強い要望に応じ、GPT-4oを引き続き使用できる方法を検討し、月間プロンプト使用量の制限を2倍に拡大する方針を検討中であると述べた。これは、ユーザーが新モデルに適応する過程での不便を最小限に抑えるための措置とみられる。
今回の論争のもう一つの焦点は、発表時に使用されたベンチマークデータの可視化ミスだ。
OpenAIは、低いベンチマークスコアを高い棒グラフで表示するというミスを犯し、「チャート犯罪」として批判を浴びた。アルトマンCEOはAMAセッションではこれに直接触れなかったが、SNS「X」で「史上最悪のチャートミス」と認めた。

一方、GPT-5は、データ表の変換処理でも複数の失敗例が報告されている。
初期レビュアーのサイモン・ウィルソン氏は、「GPT-5の失敗の典型例」としてこの問題を挙げ、モデルの不安定さを指摘した。
アルトマンCEOは「状況を安定させるために引き続き努力し、フィードバックに耳を傾け続ける」と述べ、ユーザーの信頼回復への意志を表明した。
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