
ドナルド・トランプ米大統領は11日(現地時間)、イスラエルによるガザ地区での軍事作戦計画については直接的な支持を示さなかったものの、パレスチナ武装組織ハマスがガザにとどまるべきではないとの考えを示したと、米メディア『アクシオス(Axios)』が報じた。
同メディアによると、トランプ大統領は同日、Axiosとの電話インタビューで「ハマスは現状では人質を解放しないだろう」と述べ、「当初から人質救出は極めて難しい任務だった」と語った。
イスラエル軍の一部からは、人質を危険にさらす恐れがあるとしてガザ市占領作戦に反対する声が出ている。
国際社会も、ガザ地区で続く人道的惨状に反発し、イスラエルへの批判を強めている。
トランプ大統領は「イスラエルは次の一手を自ら決めるべきだ」と述べ、「ハマスをガザにとどめるべきではないと私は考える」と強調した。
そのうえで、イスラエルの軍事作戦については明確な支持を避けつつも、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が主張する「ハマスへのさらなる軍事的圧力の必要性」については容認する姿勢を見せた。
トランプ大統領は「私が言いたいのは一つだ。10月7日を忘れるな、10月7日を」と述べ、ハマスによるイスラエル南部への奇襲攻撃を改めて想起させた。
また同日、ネタニヤフ首相と電話会談を行ったことを明かし、「有意義な会話だった」と語った。
ネタニヤフ首相官邸によると、両首脳は「ガザ地区に残るハマス拠点の制圧計画や人質解放、ハマスの敗北による戦争終結の方策」について協議したという。
一方、ネタニヤフ首相は11日の記者会見で、イスラエル国防軍(IDF)にガザ市の「制圧計画」を策定するよう指示したことを確認した。
イスラエル当局は、ガザ地区でのパレスチナ住民避難や作戦準備に数週間かかるとの見通しを示している。
米国のスティーブン・ウィトコフ中東担当特使は週末、スペイン・イビサでカタールのムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニ首相と会談し、包括的なガザ戦争終結と人質解放に向けた交渉案について協議した。
ハマスの交渉代表団も11日にカイロに到着し、エジプトの情報機関と停戦再開の方策などを協議している。
代表団は交渉決裂後、2週間前にカタールを離れ、その後最近までトルコに滞在していた。
情報筋によると、ハマス側はカタールの仲介方法に不満を示していたが、トルコ政府が再びエジプトやカタールとの交渉に応じるよう説得したという。
現在、エジプトとカタールの仲介団はウィトコフ特使の提示した60日間の停戦案をもとに、戦後のガザ地区体制を含む包括的な終戦案を策定中だ。
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