
コロンビア保守系野党の大統領候補で上院議員のミゲル・ウリベ・トゥルバイ氏(39)が、6月の銃撃事件から2カ月後の11日(現地時間)に死亡した。サンタフェ・デ・ボゴタ医療センターが声明で、同氏がこの日未明に息を引き取ったと発表した。
ウリベ氏は、アルバロ・ウリベ元大統領が率いる保守寄りの民主中道党に所属し、来年の大統領選への出馬を表明していた。しかし、6月7日、首都ボゴタでの選挙演説中に銃撃を受けて重傷を負った。コロンビア警察によると、犯行は10代の未成年者によるもので、使用された銃は米国から密輸されたものとみられる。
グスタボ・ペトロ大統領は「政治的な対立は暴力で解決されるべきではない」と述べ、遺族と国民に哀悼の意を表明。「今回の犯行の動機は現在調査中だが、数十年にわたる報復の連鎖が暴力を長引かせてきた。これ以上、復讐の道を選んではならない」と強調した。
一方、野党側は政府の責任を追及。下院議員のミゲル・ポロ・ポロ氏はSNSで「ウリベ候補は警護の強化を25回要請したが、大統領はすべて拒否した。ペトロ大統領、あなたの手は血で染まっている」と非難した。大統領選の予備候補でジャーナリストのビキ・ダビア・ラジ氏も「野党を弾圧してきた大統領がこの事件の政治的責任者だ」と批判し、「あなたの手によって命を奪われた野党候補がいるという事実を、永遠に背負わなければならない」と述べた。
さらに、与党関係者の発言も物議を醸している。アルフレド・サアデ大統領府長官は「政治活動は自転車に乗るのと同じくらい危険だ」と発言し、遺族や野党から強い反発を受けた。
マルコ・ルビオ米国務長官はSNSを通じて「米国はミゲル・ウリベ議員の悲劇的な死に深い悲しみを覚える」と表明。「彼の家族とコロンビア国民に連帯し、責任者への正義の実現を求める」と述べた。
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